伊坂幸太郎原作映画を総ざらい!『ブレット・トレイン』まで16年間の14本をプレイバック
ブラッド・ピット演じる“レディバグ”をはじめとした10人の殺し屋たちが、東京発、京都行きの超高速列車を舞台に死闘を繰り広げるミステリーアクション大作『ブレット・トレイン』(9月1日公開)。人気作家の伊坂幸太郎の大ベストセラー「マリアビートル」を映画化した本作は、伊坂作品初のハリウッド映画化となる。それを記念し、これまで国内外で映画化されてきた伊坂幸太郎原作の13作品を一気におさらいしていこう。
『デッドプール2』(18)などで知られるアクション映画の名手デヴィッド・リーチ監督がメガホンをとった『ブレット・トレイン』は、世界一運の悪い殺し屋レディバグが、ある簡単なミッションを請けることから始まる。「超高速列車に乗り込みブリーフケースを盗み、次の駅で降りる」、それだけ。ところが次々と現れる殺し屋たちに命を狙われ、降りたくても降りることができないレディバグ。そのまま列車は京都へと向かい、やがて殺し屋たちの過去と因縁が明らかになっていく。
初の映画化は『陽気なギャングが地球を回す』!ジャンルを問わないエンタメ性で人気爆発
2000年に「オーデュボンの祈り」で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し作家デビューをはたした伊坂は、コンスタントに新作を発表し高い評価を得ると共に、2000年代を代表する人気作家として多くの読者から熱狂的な支持を獲得していく。そんな伊坂作品の最初の映画化となったのは、後に『そして、バトンは渡された』(21)などを手掛ける前田哲監督がメガホンをとった『陽気なギャングが地球を回す』(06)。大沢たかお、鈴木京香、佐藤浩一、松田翔太が演じる4人組の強盗団の逆襲を描いた痛快なクライムコメディ作品だ。
同じ頃に短編集「チルドレン」がWOWOWの「ドラマW」でテレビドラマ化され、その後『CHiLDREN チルドレン』(06)として劇場公開。そして翌年、秀逸なトリックが話題を呼んで第25回吉川英治文学新人賞を受賞した傑作ミステリーを映画化した『アヒルと鴨のコインロッカー』(07)がスマッシュヒット。映画ファンの心をわしづかみにした同作をきっかけに、伊坂作品の映画化ブームが到来する。
金城武が主演を務めた『Sweet Rain 死神の精度』(08)や、『アヒルと鴨のコインロッカー』を手掛けた中村義洋監督がメガホンをとった『フィッシュストーリー』(09)、加瀬亮と岡田将生共演の『重力ピエロ』(09)と話題作が立て続けに公開。さらに真利子哲也や野原位ら当時の東京芸大の学生チームが企画から製作、配給までを担った『ラッシュライフ』(09)も大きな話題を集めることとなった。