「展開を知っていても背筋が凍る」南沙良が『この子は邪悪』で歪んだ愛の形を体感
「心の葛藤による微妙な距離感は、演じるうえで意識した部分」
花と心を通わせていく少年、四井純は「なにわ男子」の大西流星が演じている。「本読みの段階で、台本にたくさん書き込みがしてあったので『すごく真面目な方』という印象が強かったです。それはお芝居でも感じました。純としてそこにいてくれたので、芝居のキャッチボールがしやすかったですし、安心感がありました」と共演について語った。父の太朗を演じる玉木宏については「台本の段階から、この父親を演じる玉木さんのお芝居がすごく楽しみで、ワクワクしていました。実際に目の前でお芝居を見て、流れる空気がどんどん不穏になっていき…。先の展開を知っているのに、背筋が凍る感じがしました」と語る。
また、妹である月との距離感の表現が難しかったという。「花としては妹に対しての罪悪感があります。でも妹のことは大好きなので、心の葛藤による微妙な距離感は、演じるうえで意識した部分です。ただ、月も子役の女の子もかわいらしいので、思わず近づきそうになる感覚もありました」と照れた様子で振り返った。劇中では桜井ユキ演じる母の繭子に違和感を覚える花だったが、桜井本人は「とても素敵で優しい方」と微笑む。「撮影中に蚊に刺されて、炎症がどんどんひどくなってしまい困っていたら、桜井さんが薬をくださって。とても素敵なお母さんでした!」と感謝した。
本作の注目ポイントのひとつがVFXによる演出だ。「演じている時は、もちろんどういうシーンになるのか説明も受けているし、想像もできているのですが、出来上がった映像を観たときにはすごくびっくりしました(笑)。内容を知っていてもドキドキしたので、映像で観る方はかなり驚くと思います」と語った。花の父親は心理療法室を営んでおり、本作には退行催眠も登場する。「催眠」にちなみ、催眠術により苦手が克服できるとしたら、なにができるようになりたいかを尋ねると、「寝起きをよくしたいです!」と即答。「寝つきも寝起きも悪いんです。柔軟体操を取り入れると眠りにつきやすくなると聞いて、取り入れたりしているのですが、克服まではいたってなくて、良い方法を探しているところです」。