福山雅治、『沈黙のパレード』の出来栄えに自信!「エンタメがある時間の良さを感じられる作品」
『沈黙のパレード』(9月16日公開)のジャパンプレミアイベント&完成披露試写会舞台挨拶が31日、六本木ヒルズの六本木ヒルズアリーナ、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて開催され、福山雅治、柴咲コウ、北村一輝、飯尾和樹、戸田菜穂、田口浩正、川床明日香、出口夏希、岡山天音、檀れい、椎名桔平、西谷弘監督ら総勢12名が大集結した。
本作は『容疑者Xの献身』(08)、『真夏の方程式』(13)に続く待望の「ガリレオ」シリーズの映画最新作。東野圭吾の同名小説を原作に黙秘を貫き、証拠不十分で釈放された女子学生殺害事件の容疑者が、被害者の故郷で開催された夏祭りのパレード当日、何者かに殺されるが、動機とアリバイがある女子学生の家族、仲間、恋人らは皆、“沈黙”を貫く、という物語が描かれる。
本作について、福山は「ハッピーエンド、みんなが笑顔という物語ではないけれど、心に残る作品になったと思います」と胸を張る。「原作を読んでいたから内容はわかっていたけれど…」と前置きした柴咲は出来上がった映画を観て「胸がすごく苦しくなりました。出演している側なのに、映画の世界に入り込んで冒頭で心を掴まれました」と熱弁。最初の5分が注目ポイントであるとも語っていた。本作の舞台となる定食屋の「なみきや」では柴咲演じる内海薫の登場シーンはないため、「(撮影時の)裏話を訊きたいです!」と柴咲が現場にいたキャスト陣にお願いする場面もあった。
福山演じる湯川学の親友で、内海の先輩刑事である草薙俊平を演じる北村は、今回は苦悩し暗さをまとった役だったため、どのシーンの撮影も「暗かった」と苦笑い。しかし、どのシーンでも、現場に入ればスッと世界観に、そして役に入り込める環境があったとし、「監督も的確に指示してくれるので、(役作りの)苦労はなかったです」と力強く語り、現場ではキャスト全員が役になりきっていたので、(役の関係上)なかなか話すことができなかったと残念そうな表情を見せるも「僕のシーンは暗かったのですが、とても充実した時間でした」と笑顔を浮かべた。
主題歌は福山と柴咲によるユニット「KOH+」による「ヒトツボシ」。楽曲について福山は「レクイエム(鎮魂歌)がテーマです。『容疑者Xの献身』では、堤真一さんが演じた石神哲哉の報われなかった思い、魂の救済を願い『最愛』を作りました。今作と共通しているのは愛する人を失った者の喪失感。愛ゆえにやってしまうことがあるけれど、それぞれの人生の旅を迷わないでほしい」という思いを込めたと明かした。さらに福山は「ヒトツボシとは北極星のこと。北極星を見ながら旅していた時代があります。それをテーマにいつか楽曲を作りたいと思っていました。ずっと書きたいと思っていたテーマと、今回の映画のテーマが重なりました」と楽曲誕生の経緯を丁寧に解説していた。
最後の挨拶で福山は「この作品に携われていることが本当に幸せです」としみじみ。「映画はハッピーエンドではないけれど、映画やエンタメがある時間の良さを感じられる作品になりました。引き続き、(シリーズを)愛してください!」と笑顔で呼びかけ、イベントを締めくくった。
取材・文/タナカシノブ