俳優生活40周年のトニー・レオン、釜山で語ったMCU参加の意義と、“キャリア新章”の展望「企画さえあれば、韓国でも日本でも台湾でも」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
俳優生活40周年のトニー・レオン、釜山で語ったMCU参加の意義と、“キャリア新章”の展望「企画さえあれば、韓国でも日本でも台湾でも」

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俳優生活40周年のトニー・レオン、釜山で語ったMCU参加の意義と、“キャリア新章”の展望「企画さえあれば、韓国でも日本でも台湾でも」

第27回釜山国際映画祭のアジア映画人賞にトニー・レオンが選ばれ、受賞記念記者会見が行われた。アジア映画人賞は、その年のアジア映画の振興・発展に寄与した映画人や団体に贈られる賞で、2003年の第8回から賞の授与を始め、第1回はイランのモフセン・マフマルバフ監督、以降はホウ・シャオシェン監督、香港の俳優アンディ・ラウ、台湾のエドワード・ヤン監督、日本からは若松孝二監督、音楽家の坂本龍一、NHK、スタジオ・ジブリなどが受賞している。2020年と2021年はパンデミックのため授賞を行わず、2019年は是枝裕和監督が受賞している。

エドワード・ヤン、是枝裕和監督ら名だたる映画人に贈られたアジア映画人賞を受賞したトニー・レオン
エドワード・ヤン、是枝裕和監督ら名だたる映画人に贈られたアジア映画人賞を受賞したトニー・レオン[c] Busan International Film Festival

「釜山のファンのエネルギーを感じることができました」

トニー・レオンの受賞理由には、俳優活動40周年を迎えたこと、香港映画を世界に広めるだけでなく、2021年には『シャンチー /テン・リングスの伝説』でハリウッド進出を果たしたことなどが挙げられた。レオンは受賞に際し、「この賞をいただき、とても光栄に思います。釜山国際映画祭には何度も訪れていますが、訪れる度に変化を感じます。釜山の街は近代化され、ビーチは美しく発展し、映画祭を取材するメディアも増えました。初めて釜山国際映画祭を訪れた時、小さく細長いステージでオープニング・セレモニーを実施していたのを覚えています。ですが今年の開幕式は、とても豪華ですばらしいものでした」と感想を述べた。

大規模イベントへの登場は久しぶりだというトニー・レオン。意外にも緊張したそう!
大規模イベントへの登場は久しぶりだというトニー・レオン。意外にも緊張したそう![c] Busan International Film Festival

受賞を記念し、レオン自身が選んだレトロスペクティブ上映も行われた。それらの作品は、ジェフ・ラウ監督の『大英雄』(93)、パトリック・ヤウ監督の『ロンゲストナイト』(97)、そしてウォン・カーウァイ監督の『ブエノスアイレス』(97)、『花様年華』(00)、『2046』(04)、マーティン・スコセッシ監督によって英語リメイクもされたアンドリュー・ラウ監督の『インファナル・アフェア』(02)の6本。彼は選定理由について、「できるだけ多彩なジャンルの映画から選ぶようにしました。そして、私がとても好きな監督の作品を選んでいます。デビュー直後に台湾で撮影した映画など、もっとたくさんの映画を選びたかったのですが、(上映権を)追求することができなかった作品もありました。ウォン・カーウァイ監督の作品が多いですが、『花様年華』を選んだのは、まだ観ていなかったリマスター版を、観客の皆さんと一緒に体験したかったからです」と説明した。

2人の男の切ない恋を描いたウォン・カーウァイ作『ブエノスアイレス』(97)
2人の男の切ない恋を描いたウォン・カーウァイ作『ブエノスアイレス』(97)[c]1997 BLOCK 2 PICTURES INC. [c]2019 JET TONE CONTENTS INC. ALL RIGHTS RESERVED

互いの組織に潜入したマフィアと刑事の対決を描いたハードボイルドアクション『インファナル・アフェア』(02)
互いの組織に潜入したマフィアと刑事の対決を描いたハードボイルドアクション『インファナル・アフェア』(02)[c]EVERETTE/AFLO

パンデミックの間、トニー・レオンは精力的に映画撮影に励んでいたという。『シャンチー /テン・リングスの伝説』のほか、2003年の『インファナル・アフェアIII』以来でアンディ・ラウと共演した『The Goldfinger(英題)』、そして中国のチェン・アル監督によるスパイスリラー『Anonymous(英題)』。映画祭の出席は久方ぶりだったため、開幕式のレッドカーペットは意外にも緊張してしまったと告白した。「このように大勢の方が参加するイベントは久々だったので、釜山のファンのエネルギーを感じることができました。以前、釜山国際映画祭に参加した際に、細長いステージを抜けて映画の上映に向かう時ファンの方々に囲まれ、靴をなくしてしまったこともありました。釜山のファンはとても情熱的だと知りました」と、映画祭の思い出を語っていた。

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