松村北斗、大ヒット中の『すずめの戸締まり』で「新海監督に魔法をかけてもらい、自分の声が好きになれた」

インタビュー

松村北斗、大ヒット中の『すずめの戸締まり』で「新海監督に魔法をかけてもらい、自分の声が好きになれた」

「神木くんのお芝居はちょっと衝撃的でした」

オーディション前には、『ホリック xxxHOLiC』(22)で共演した神木隆之介にアドバイスを求めたという。神木といえば、『君の名は。』、『天気の子』に続き、今作が3度目の新海監督作の参加となる“先輩”。本作では草太の友人である芹澤朋也役を演じている。「オーディション前には『声の仕事ってどうなの?』といった入門編のような話を聞き、出演が決まってからは具体的なアドバイスももらいました。大事にしているのは息の使い方だと教えてくれたのですが、そのアドバイスがなかったら、草太の演じ方は全然違っていたと思います。それを参考に、息の量や圧など、様々な工夫をしました。例えば、一言のセリフのなかでの息の配分、語尾まで言った後に息を抜くのか、スパッと止めるのか…といったことは何度も練習して経験しながら身につけていきました」と神木のアドバイスをもとにした声の芝居のポイントを明かした。

開いてしまった扉を閉める“戸締まりの旅”に出るすずめと草太
開いてしまった扉を閉める“戸締まりの旅”に出るすずめと草太[c]2022「すずめの戸締まり」製作委員会


親友役ながら神木と一緒のシーンはほとんどなかったが、アフレコは見学に行ったそう。神木が歌うシーンをモノマネしながら「気持ちよさそうに歌っていました(笑)。神木くんのお芝居は、ちょっと衝撃的でしたね。新海監督も音響監督の山田(陽)さんも『神木くんは声優さんだから』とおっしゃっていましたが、本当に『ホリック xxxHOLiC』の神木くんとはまったく違う存在でした。すごさを目の当たりにして、あれだけのことができたら、芸能活動が楽しくてしょうがないだろうなって思いました(笑)」と、アフレコ見学時の衝撃を振り返った。


「どこからともなく聞こえてくるような草太の声を表現するため、重心を常に意識した」(松村)
「どこからともなく聞こえてくるような草太の声を表現するため、重心を常に意識した」(松村)[c]2022「すずめの戸締まり」製作委員会

松村が草太の役作りで意識したのは「重心」だという。「聞かれてみて初めて、普段の芝居でも意識しているかもしれないと気づきましたが、今回は声の演技なので特別意識したと思います。僕はとても緊張するタイプなので、普段から心臓の位置をよく考えるようにしていて。落ち着いている時、心臓は下っ腹あたりにある気がするんですが、緊張してくるとそれがどんどん上のほうに上がってくる感じなんです。よく『口から心臓が出る』と言いますが、本当にそうだなって。草太はすごく落ち着きのあるタイプなので、重心を下に持っていき、腰が入った状態を意識していました。僕の勝手な解釈ですが、草太は声が口から聞こえるのではなく、どこからともなく聞こえる感じなんです。なので重心を低めにして、つま先から頭まで音が響くように心がけていました。そんな僕のアプローチでの草太が、新海監督によってさらに洗練されて進化していったのだと思います」と役作りの経緯を説明してくれた。

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