寺島しのぶ、『あちらにいる鬼』瀬戸内寂聴役で実際に剃髪!豊川悦司&広末涼子も絶賛「絶対彼女だったらやるだろうと思った」
俳優の寺島しのぶが12日、都内で行われた映画『あちらにいる鬼』(公開中)の公開記念舞台挨拶に共演の豊川悦司、広末涼子、廣木隆一監督と参加。作家であり僧侶でもあった瀬戸内寂聴と、自身の父親の不倫を基にした直木賞作家の井上荒野による同名小説を実写映画化した本作。瀬戸内寂聴をモデルにした主人公のみはる役を寺島しのぶが演じた。
出家シーンのために実際に頭を丸めた寺島は「当初剃るつもりはなかったけれど、廣木監督とやるからには廣木さんのために剃るかと。監督も剃髪をしているようなものなので、『僕もいるからね!』みたいな感じで励ましてくださいましたから」と廣木監督の頭髪をいじりつつ心境を経緯を説明した。
剃髪について豊川からは「剃ったあとに、頭に呪文が書いてあったらおもしろいね」と言われたそうで、寺島は「ピリピリしているなかでも柔らかい言葉をかけてくださって、優しいなと思った」と振り返り、「広末さんは剃ったあとの頭をクリクリと触ってくれたりして楽しかった。実際に剃って良かったと思いました」と共演者の温かいリアクションに感謝していた。
豊川はそんな寺島について「絶対彼女だったらやるだろうと思った。ウジウジと言っていた時期もありましたが、そう言いながらも結局はやるだろうなと」とリアル剃髪の確信があったという。寺島とは何度もタッグを組んでいる廣木監督も「絶対やるだろうとみんな思っていた」と明かし、広末は「頭の形が良くて気持ち良くて、さらに若返っていました」と絶賛していた。
作家・井上荒野氏が、実の両親である作家・井上光晴とその妻、そして瀬戸内寂聴の特別な関係性を綴った同名小説の映画化。文学に導かれ、求め合う主人公・長内みはる(のちの寂光)役の寺島は「この映画を観終わって思ったのは、人と人との縁や出会った人たちが死ぬまで絡んでいくというのは尊くて愛おしいということ」と感想を述べて「この映画がもっと広がってほしいと思うし、廣木監督とはまた映画でご一緒したいと思うので、お客さんが入ってもらわないと大人の映画は廃れてしまう。ぜひとも応援よろしくお願いします」と満席の客席に向けて呼び掛けていた。
取材・文/石井隼人