“母娘論争”が勃発?母娘限定試写の感想で読み解く、映画『母性』が叩きつけるメッセージ|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
MENU
“母娘論争”が勃発?母娘限定試写の感想で読み解く、映画『母性』が叩きつけるメッセージ

コラム 2022/11/22 17:30

“母娘論争”が勃発?母娘限定試写の感想で読み解く、映画『母性』が叩きつけるメッセージ

数多くのヒット作を世に送りだしてきた湊かなえ渾身の1作を映画化した『母性』が11月23日(水・祝)に公開となる。MOVIE WALKER PRESSが公開に先駆けて実施した母娘試写会では、「キャスト全員の演技力が高くとても世界観に引き込まれるすばらしい作品でした」(10代)、「伏線回収がすごい」(20代)、「母、娘の視点で内容が変わるところがよかったです」(10代)など複雑な母娘関係を体現した戸田恵梨香永野芽郁の熱演、視点によって出来事の印象がガラッと変わる、湊作品ならではの巧みな脚本への絶賛が数多く寄せられている。

『母性』は11月23日(水・祝)より公開
『母性』は11月23日(水・祝)より公開[c]2022 映画「母性」製作委員会

「人生について、生き方について、育て方について、いろいろな意味のある深すぎる映画」(50代)
「難しい内容でしたがいろいろ考えながら観ることができて何回でも観たくなる作品でした」(20代)
「“母性”の概念が変わるかも」(50代)


といった寸評からもわかるとおり、単なる感動作ではなく鑑賞者の立場によって考えさせられる側面も魅力の本作。そのポイントを試写会参加者のコメントと共にひも解いていく。

クセ者ぞろいキャラクターが織りなす濃厚な人間模様

ある未解決事件の語り部となる母と娘を主人公に、その壮絶な過去と衝撃的な真実が明らかにされていく本作は、“母性”すなわち人の性を扱っているだけあり、「全員クセが強すぎる」(40代)と飛び出すほど強烈だが、同時に「キャラそれぞれに共感できることがある」(40代)とも評される登場人物たちが、ひと筋縄ではいかない人間模様を繰り広げていくのだ。

これまでのイメージを覆す、狂気的ともいえるキャラクターを圧巻の演技力で体現した戸田恵梨香
これまでのイメージを覆す、狂気的ともいえるキャラクターを圧巻の演技力で体現した戸田恵梨香[c]2022 映画「母性」製作委員会

なかでもインパクトを放っているのが、戸田がイメージを一新し怪演した娘を愛せない主人公、ルミ子だ。母が気に入った人を旦那に選び、娘よりも母との関係を優先する…。そんな母親至上主義な行動原理と、狂信的なまでの“母”への執着に対して、

「母親に対する気持ちと娘に対する気持ちが理解できないところがあった」(40代)
「実母の言うことがすべてだと考えているところがクセが強いと思った」(20代)
「親に依存しすぎて正直怖いと思ってしまった」(20代)


など母娘両側から「共感しがたい」との声が上がりつつも、娘側からは「(自分も)いつまでも娘でいたいと感じた」(20代)という共感も見られ、ルミ子をただの歪んだ感情を持つ女性として、割り切れない存在だとわかる。

どんなに冷たくされても母の愛を求める娘の感情を、永野芽郁が繊細に表現している
どんなに冷たくされても母の愛を求める娘の感情を、永野芽郁が繊細に表現している[c]2022 映画「母性」製作委員会

一方、母ルミ子から辛辣に扱われてもなお愛情を求めようとする娘の清佳(永野)には「自分も母に愛されたいから共感できる」(20代)、「自身も周りの大人の目を気にしたり、母を喜ばせようと行動する」(10代)とシンパシーを覚えた娘側の意見が多数。

さらに、清佳の父方の祖母にあたるルミ子の義母の小言に反抗して、状況を悪化させるひと言を発してしまう清佳の性格に対して、「自分も空気を読めず余計なひと言を言ってしまう」(10代)、「『まあいっか』と流せないところが少し似ている」(20代)と、通じる部分が多いキャラクターだったようだ。

「娘への言葉に近いものを感じた」(50代)など、母サイドにとっては共感性の高いキャラクターを見事に演じた大地真央
「娘への言葉に近いものを感じた」(50代)など、母サイドにとっては共感性の高いキャラクターを見事に演じた大地真央[c]2022 映画「母性」製作委員会

また、娘にも孫にも無償の愛を注ぐ物語のキーパーソンであるルミ子の実母(大地真央)には、自身も「娘に対して無償の愛を感じている」(40代)ために共感する人や、「子も孫も大切という大きな愛がある」(50代)と娘への想いを重ねる母側の意見がズラリ。

一方、ルミ子をいびり続ける反面、実の娘を溺愛する義母(高畑淳子)には「高畑さんの演技が強烈でした」(50代)と、爆発力のある演技には母娘関係なく圧倒されたようだ。悪意に満ちたキャラクターだが「感情がころころ変わっていておもしろいキャラだった」(10代)、「一番現実的、人間臭いのはルミ子の義母だと思う」(50代)など、感情的で人間臭い姿は観客を惹きつけたようだ。

「年をとっていく姿を適切に表現されていた」(40代)と評された高畑淳子の怪演は圧巻
「年をとっていく姿を適切に表現されていた」(40代)と評された高畑淳子の怪演は圧巻[c]2022 映画「母性」製作委員会

ルミ子の親友の仁美には、なにやら裏の顔が…
ルミ子の親友の仁美には、なにやら裏の顔が…[c]2022 映画「母性」製作委員会


ほかにも、「親切そうだけど実は裏があって、ある意味怖い」(50代)というルミ子の友人、仁美(中村ゆり)や、「結局はどちらにも歩み寄らず、仲を取り持つでもなく逃げている」(40代)ルミ子の夫、田所(三浦誠己)といった脇を固めるキャラクターへの言及も多く、濃い人物たちが織りなすドロドロの人間関係に観客は翻弄されたようだ。

母親の嫁いじめに我関せずという夫の安心無為を三浦誠己は巧みに表現している
母親の嫁いじめに我関せずという夫の安心無為を三浦誠己は巧みに表現している[c]2022 映画「母性」製作委員会

「母か、娘か」。究極の問いに迫る『母性』特集【PR】

関連作品