定番転生モノ「転スラ」から心温まる展開が沁みる「異世界食堂」まで、細分化していく“なろう系異世界モノ”|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
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定番転生モノ「転スラ」から心温まる展開が沁みる「異世界食堂」まで、細分化していく“なろう系異世界モノ”

コラム

定番転生モノ「転スラ」から心温まる展開が沁みる「異世界食堂」まで、細分化していく“なろう系異世界モノ”

近年の日本では毎クール50本以上ものアニメが放送、配信されており、ひと昔前に比べ、オタクの(とても幸せな)忙しさが増している。しかしここ最近、アニメのラインナップにある大きな変化を感じた人は多いのではないだろうか?

その変化というのが「なろう系」アニメの台頭だ。ここ数年、毎クール3~4本は必ず「なろう系」アニメが制作されているという状況に気づいている人も多いだろう。今回はこの「なろう系」というジャンルと、その代表作に注目していきたい。

そもそも「なろう系」とは?

【画像を見る】スライムのリムル(右)だが、対象を吸収することで姿を擬態する能力を持つため女性の姿になっている(『転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編』)
【画像を見る】スライムのリムル(右)だが、対象を吸収することで姿を擬態する能力を持つため女性の姿になっている(『転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編』)[c]川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会

「なろう系」の”なろう”とは、2004年にサービスを開始したWEB小説投稿サイト「小説家になろう」が由来だ。誰でも無料で小説を投稿したり、投稿作を読んだりすることができ、そこから書籍化、アニメ化する作品が非常に多くなっている。このサイトに投稿され人気が出た「異世界転生/転移/召喚」、「チート主人公」などいくつかのテンプレ的要素をはらんだ作品を「なろう系」と指すことが多い。”多い”というのは、近しい要素が含まれていれば同サイトへの投稿作ではなくとも「なろう系」と呼ばれるからだ。同サイトの読者に好まれる要素を複合したジャンルと言える。


では、「なろう系」にはどのような作品があるのか。アニメ化したヒット作のなかから、タイプの異なる5作品を紹介していく。

「なろう系」の道を切り拓いた、大ヒットラノベ「ソードアート・オンライン」

世界初のVRMMORPG「ソードアート・オンライン」で、命を懸けたゲームに挑んでいく主人公たちの姿を映す「ソードアート・オンライン」シリーズ(『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ』)
世界初のVRMMORPG「ソードアート・オンライン」で、命を懸けたゲームに挑んでいく主人公たちの姿を映す「ソードアート・オンライン」シリーズ(『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥き夕闇のスケルツォ』)[c]2020 川原 礫/KADOKAWA/SAO-P Project

最初に紹介しておきたいのが、「なろう系」ジャンルの主流となったいくつかの要素を先取りし、のちの「なろう系」作品の人気を押し上げる地盤を作り上げた、全世界で愛される名作「ソードアート・オンライン」(以下「SAO」)だ。

ただし本作は、2002年から作者である川原礫氏の個人サイトに掲載されたWEB小説(その後書籍化)が原作で、「小説家になろう」の投稿作品ではない。だが、「黒髪黒目、黒服の主人公」「(βテストの経験を踏まえた)知識チート」「チート級な強さの主人公無双」「早い段階でヒロインと結ばれる」など、「なろう系」の要素がふんだんに詰まった作品なのだ。また、VRMMORPG(=仮想現実空間にダイブし、視覚だけでなく五感もリアルに体験することができる技術)×デスゲームを題材にした近未来的な世界観、それにまつわる専門用語やラノベ読者の心に刺さるかっこいい必殺技の数々。そういった魅力ものちの「なろう系」作品に影響を与えている。

“自身の死を条件に”タイムリープ…ダークファンタジー「Re:ゼロから始める異世界生活」

続いては本場「小説家になろう」発の「なろう系」作品、「Re:ゼロから始める異世界生活」(以下「リゼロ」)だ。本作はいまや「なろう系」の鉄板要素となっている、主人公が「異世界転生/転移/召喚」にする作品の代表格。さらに美少女アニメ然としたかわいい絵柄も魅力を引き立てており、ヒロインのエミリア(声:高橋李依)や、レム(声:水瀬いのり)とラム(声:村川梨衣)の双子の姉妹など、キャラクターが世界中のファンから愛されているのもポイントだ。

しかし「リゼロ」の真骨頂は、物語の圧倒的なダークファンタジー性にある。理由もわからぬまま異世界に召喚された主人公のスバル(声:小林裕介)は、「自身の死」をトリガーに過去へタイムリープする「死に戻り」の力を得ていた。彼はその力を駆使して運命に抗うのだが、力を使うには当然そのたびに死ぬ必要がある。何度も何度も想像を絶する苦痛を味わい、時には心折れるスバルの姿を見せられる。ループの先にあるのが必ずしも幸せな結末とも限らない…そんな心揺さぶられるダークな世界観が秀逸だ。


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