定番転生モノ「転スラ」から心温まる展開が沁みる「異世界食堂」まで、細分化していく“なろう系異世界モノ”
異世界転生コメディの傑作といえば「この素晴らしい世界に祝福を!」
「SAO」や「リゼロ」とはまったくテイストが異なり、とにかく頭を空っぽにして爆笑できるのが「この素晴らしい世界に祝福を!」(以下「このすば」)だ。
主人公、カズマ(声:福島潤)は事故死してしまい、異世界へ転生することに。「なろう系」のお約束の一つである「転生特典」として、望んだものを1つだけ持って行けることを女神アクア(声:雨宮天)に告げられた彼は、あろうことか女神アクアを指定!序盤から予想外の爆笑展開が連発し、「なろう系」初心者でも楽しめる。
運がいい以外は明確なチート能力を持っているわけではない残念冒険者のカズマ。運と知性以外は高ステータスな残念女神アクア。爆裂魔法の使い手だが一発撃てば動けなくなる残念魔法使いのめぐみん(声:高橋李依)。極度のドMで酷い妄想癖の持ち主な残念騎士ダクネス(声:茅野愛衣)。とにかく残念だらけなパーティーメンバーが繰り広げるドタバタな大騒動は、疲れた日の特効薬としても楽しめること間違いない。腹筋の筋肉痛には気をつけよう。
飯テロ満載、ハートフルストーリーに心温まる日常系「異世界食堂」
異世界転生やチート無双だけが「なろう系」ではなく、日常寄りの作品もある。なかでも現代の料理を異世界で提供し、異世界人を魅了する、料理無双作品は人気が高い。アニメ化したヒット作「異世界食堂」もその一つ。
毎週土曜日だけ異世界とつながる不思議な洋食屋、洋食のねこやと、そこを訪れる異世界の客たちとの交流を描く、1から10まで優しい物語が特徴だ。心温まるエピソードを楽しめるのはもちろんだが、やはり現代料理を食べた異世界人のリアクションとグルメレポートも見どころ。アニメでは1話につき2つのエピソードが紡がれ、毎話笑ったりほっこりしたりと様々な楽しみ方をできる構成もうれしい。
ただし、気合いの入った料理描写はアニメ、原作ともに、よだれと腹の虫が止まらなくなる。深夜の視聴には特に影響が大きい。