“ニュースを超える”戦争の真実とは?映画『戦場記者』須賀川拓が捉えた場面写真&30秒映像が解禁
世界の紛争地を飛び回ってきた日本人記者の視点から“戦場のいま”を映すドキュメンタリー映画『戦場記者』が12月16日(金)より公開となる。このたび、本作より彼の瞳が捉えた紛争地を映し出す場面写真と30秒映像が解禁となった。
本作は、「戦争に白黒はない」という言葉を胸に、戦争の現実をテレビの枠を超えてYouTubeやSNSも駆使しながら伝えてきた須賀川拓が捉えた戦地の様子を伝えるドキュメンタリー映画。ロシアのウクライナ侵攻や北朝鮮の弾道ミサイル発射、台湾侵攻など、世界戦争の危機が実感となって現れた2022年の真実を、危険エリアから撮影クルーと共に届けている。抜群の行動力と分析力でガザ、ウクライナ、アフガニスタンと世界の戦地を歩いた末に浮かび上がる戦地の真実とは?
今回解禁された場面写真は、我々の記憶に新しいロシアのウクライナ侵攻、アメリカ軍の撤退以後タリバンが支配するアフガニスタン、パレスチナ自治区ガザとイスラエルの終わりが見えない争い、それぞれの様子を克明に写したもの。ウクライナで須賀川は、非人道的なクラスター爆弾が降り注ぐ街や、ロシア軍の占拠で放射能汚染のリスクが激増したチョルノービリ原発の職員に現地取材などを敢行。また、アフガニスタンではタリバンの支配下で女性の人権が抑圧される実態や、深刻化する貧困とドラッグが作り出した「橋の下の地獄」の取材を行った。また、パレスチナ自治区ガザからは、アパートが跡形も無くなった空爆現場や、その周辺で発見された爆弾の破片などを念入りに取材する須賀川の様子が捉えられている。
あわせて解禁となった30秒映像は「(一般住民が)戦争の狂気の受け皿になってしまっている」と語る須賀川の言葉から、彼の強い姿勢を感じることができるものとなっている。カメラがとらえた子供たちの姿から、「戦争が日常化」しているという「非日常」した状況とともに、無差別攻撃や民間人の巻き添え被害の残酷さが浮き彫りになっている。
2022年、実際に我々が赴くことのできない戦場では、どのような光景が広がっているのだろうか?映像の圧倒的なリアルを体感できる本作をぜひ劇場で目撃したい。
文/鈴木レイヤ