横浜流星が絶望、孤独、怒りを体現!『ヴィレッジ』ティザービジュアルが解禁

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横浜流星が絶望、孤独、怒りを体現!『ヴィレッジ』ティザービジュアルが解禁

第43回日本アカデミー賞優秀監督賞受賞作『新聞記者』(19)や、『余命10年』(22)の藤井道人監督が自身のオリジナル脚本を映画化し、『新聞記者』、『ヤクザと家族 The Family』(21)、『空白』(21)などの話題作を手掛けてきたスターサンズの故、河村光庸プロデューサーによる遺作となった『ヴィレッジ』が2023年に公開される。主演は藤井監督と6度目のタッグを組む横浜流星で、このたび本作のティザービジュアルが解禁となった。

『ヴィレッジ』は、「村」という閉ざされた世界に、現代社会の闇を投影した異色のサスペンスエンタテインメント映画。とある日本の集落で生きる人間たちの、きれいごとだけでは生きていけないリアルな姿を描く本作では、環境問題、限界集落、貧困、格差社会、社会構造の歪みなどをあぶり出していく。これまでに多くの話題作を手がけてきた藤井監督と、日本映画の変革者として、絶えず問題作を世に贈り出してきた河村プロデューサーの遺志と遺伝子を受け継いだスタジオ・スターサンズの制作チームが結集した本作は、エンタテインメントと日本社会をえぐるリアルが融合したかつてない人間ドラマとなっている。

主演の横浜が演じるのは、とある日本の集落、霞門村(かもんむら)に住む主人公、片山優。村の伝統として受け継がれてきた神秘的な「薪能」を見たことによって、能に魅せられ「能教室」に通っていたが、しばらくして村にゴミの最終処理場が設立されることになる。そして建設を巡って起きたある事件により、優の人生は大きく狂っていくことに…。

助けを求めることができる人は誰一人としておらず、母親はそんな辛い現実に耐えかねて酒とギャンブルに溺れてしまい、優は村中からさげすまれながらも母親の借金を返すためだけに生きる日々を送る。山に囲まれ、幻想的な夜霧が漂う美しい村で、ひときわ異彩を放つ巨大なゴミの最終処理場で働く優は、そこでも仲間内からはいじめの標的にされ、孤独に耐えていく。

今回解禁となったティザービジュルでは、逃げることも助けを求めることもできず、閉ざされた村で生きることを余儀なくされた優のたたずむ姿が。うつむき加減でおぼろげに前を見つめる彼の表情からは、絶望の日々と、どうしようもできない現実と過去に押しつぶされそうになる苦悩や、行き場のない心の底からの怒りが伝わってくるようだ。まさに、いまの日本社会が抱える貧困、広がり続ける格差社会といった、現代に生きる若者が抱える闇を体現しているようで、心に深く突き刺さる。

『新聞記者』、『ヤクザと家族 The Family』、『余命10年』と、藤井監督が手掛けた作品では毎回ビジュアルテーマが掲げられてきたが、本作は“霧”をテーマに取り入れたという。藤井は「能との出会いもあり、今回は輪郭がくっきりしたものにしたくなかったんです。(村というタイトルではあるけど)村ってこういうもんだよねというふうに定義したくなくて、あいまいなコミュニティで、本当のことをわかってない。結局のところ、みんなおぼろなんだというところを、今回は一貫して描きたかったので、この作品では霧を意識しました」と語ってくれた。

本作の美しくも荘厳な世界観が切り取られたビジュアルでは、劇中で重要なテーマを担う「能」の演目、邯鄲から「やがて、夢から醒める」というコピーが刻まれている。横浜演じる優が、苦悩し続ける現実という悪夢から目覚めた時、そこに待ち受けるのは、希望か絶望か。本編への期待が高まるビジュアルとなった。


さらに、同日夜、映画公式SNS、主演の横浜、藤井監督のSNSアカウントでアザーデザインとなるビジュアルを解禁予定。美しく、幻想的な世界観を堪能できる2種のビジュアルがお披露目されるそうなので、こちらにもぜひ注目してほしい。

文/山崎伸子

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