映画パーソナリティ・伊藤さとりが語る”天職”に巡り合うまで
「多角的に物事を見ることは人生で一番大切」
――新刊となる著書「映画のセリフでこころをチャージ 愛の告白100選」についてもお聞かせください。
「08年に『2分で距離を縮める魔法の話術 人に好かれる秘密のテク』(ワニブックス)という本を出して以来、久しぶりの著書になります。編集者さんから『映画の愛のセリフを集めた本を作りませんか?』と声を掛けていただいて作ることになりました。もともと映画のセリフ本が好きで、和田誠さんの映画のセリフを収録した著書『お楽しみはこれからだ』も集めていたのですが、作るなら洋画も邦画もアニメのセリフも入れたいと思ったんです。あとは、手軽に読める辞書みたいな本にしようと編集者の方と話し合いました。必ずしも1ページ目から読んでいただく必要はなく、占いの本のように、真ん中からペロッと開いたところが今日の自分に必要な言葉になるような本にしたいと思っていました」
――本には、100本の映画の愛のセリフと恋愛アドバイスが収録されていますが、映画を100本に絞るのは大変だったのではないですか?
「自分を知る、相手を知る、人を知ることができて、多角的に物事が見られる映画を選びました。多角的に物事を見ることは、人生で一番大切なことだと感じているんです。映画を観ると、時に固定観念が外せたり、気づきがあったりするじゃないですか。それもあって、いろんな愛の形の映画を選びました。掲載できなかった映画はまだまだたくさんあります(笑)。セリフについては、言われてうれしい甘い言葉もあるのですが、自分が誰かに伝えたいセリフも選んでいます。例えば、映画『そして、バトンは渡された』の『泣いてちゃダメ!笑っていれば、いろんなラッキーが転がり込むの』というセリフ。実はコラムでは、このセリフの意味とはまた少し変えたことを書いています。私は小さい時から両親に『泣いちゃダメ!』と言われて育ったのですが、笑って乗り越えられてきたこともあるものの、泣きたい時は思いきり泣いたほうがいい。そういうことを伝えたくてこの作品を選びました。セリフ以外は、私がこれまでにぶち当たった壁や経験を踏まえて書いています」
――映画を通じて、いまを生きる人たちの助けになりたいという思いが伝わってくる本でした。どんな方々に手に取っていただきたいですか?
「執筆中は、私の娘や、昔の私に向けて書いていました。きっと、人それぞれの生き方や考え方はあるけれども、ぶつかる悩みは似たり寄ったりだと思うんです。私が10代の時に悩んだことや、20~30代の時、40~50代の時といったように、いままでの人生で経験し学んだことを踏まえて書いているので、幅広い年代の方に読んでもらえたらうれしいです。この本を読んで、映画を観て、ぜひ私とは違ういろんな感想を持ってほしい。映画が好きな人はもちろんなのですが、ちょっと人生に立ち止まっている人にも手にしてもらえたらと思います」
◆「映画のセリフでこころをチャージ 愛の告白100選」に掲載されている作品を紹介!
『タイタニック』(97)
「飛び込む時は一緒よ あなたを残してなどとても…」
豪華客船タイタニック号の海難事故をモデルに、ジェームズ・キャメロン監督が描いたラブ・ロマンス。レオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットが演じた本作は、97年の大ヒット作となった。このセリフは、間もなく沈没するとわかっていながらも、ジャック(レオナルド・ディカプリオ)を助けに船に戻ったローズ(ケイト・ウィンスレット)が放った言葉。死よりも愛する人を失うことのほうが怖いというローズの深い愛が伝わってくる。
今年の年末年始はこの本を参考に、映画鑑賞をするのもおススメ。たくさんの愛のあるセリフでこころをチャージしてみてはいかがだろうか?
取材・文/編集部
全国の書店で発売中
著:伊藤さとり イラスト:朝野ペコ
価格:1,540円(税込)
・カドカワストアhttps://store.kadokawa.co.jp/shop/g/g302210001185/
・Amazonhttps://www.amazon.co.jp/dp/4040006577/