渡部陽一が映画『戦場記者』を絶賛!「現場に入ってカメラを回すことが大切」

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渡部陽一が映画『戦場記者』を絶賛!「現場に入ってカメラを回すことが大切」

12月14日、都内にて映画『戦場記者』(12月16日公開)の公開記念イベントが開催。TBSテレビに在籍し、JNN中東支局長として現在ロンドンを拠点に世界中を飛び回る特派員の須賀川拓監督(リモートで参加)、戦場カメラマンの渡部陽一、放送プロデューサーのデーブ・スペクターが出席し、「世界の危機は、日本の危機か?」をテーマにトークセッションを繰り広げた。

【写真を見る】須賀川拓監督、デーブ・スペクター、渡部陽一が出席(上から時計回り)
【写真を見る】須賀川拓監督、デーブ・スペクター、渡部陽一が出席(上から時計回り)

本作は、ガザ、ウクライナ、アフガニスタンをはじめとした世界の戦地を取材する日本人記者の視点から“戦場のいま”を映しだすドキュメンタリー映画。2022年3月のTBSドキュメンタリー映画祭にて上映された『戦争の狂気 中東特派員が見たガザ紛争の現実』を基に、須賀川の自身のストーリーや葛藤も重ね合わせて収録。理不尽かつ残酷な戦争の真実を突きつける。

本作を観て、渡部は「須賀川監督は、必ず紛争地の現場にいる。それが国際報道の真骨頂。現場に入ってカメラを回す。これが大切なことで、力になり、柱になるんです」と感想を述べ、「映像のなかには“チームの方々の力”というのも激しく表れていると感じました。その地域で生まれ育ったコーディネーターさん、ドライバーさん、通訳さんたちとチームをしっかり組み立てることができれば、安心の選択肢を引き寄せることができるんです」と、危険を伴う撮影のベースとなる考え方を明かした。

「須賀川監督は、必ず紛争地の現場にいる。それが国際報道の真骨頂」と渡部
「須賀川監督は、必ず紛争地の現場にいる。それが国際報道の真骨頂」と渡部

すると、渡部のことをいつもTwitterでチェックしているという須賀川監督は「本当にありがたい。僕一人ではなにもできないので、チームの力と言うのはまさにその通りで。僕だけだと、現地の言葉も軍の動きも分からない。チームがあってこその現場取材。そこを分かっていただけたのはありがたい」と感謝の言葉を述べ、「クルー全員の意識統一も大事だとも思う。1人でも危ないと思ったらそこへは行かない。それも大事だと思っている」と、須賀川監督自身の考え方も明かした。

また、デーブは「本当にタメになる映画。(戦場に関する報道は)テレビでは3~5分だけど、この作品では、その前後が見られる。テレビで放送されるところ以外は普段は見られない部分。大手メディア(の製作)ならではでできることがあり、その取材力について分かりやすく知ることができる作品だと思う」と絶賛。「僕はテレビが大好きなのでテレビの擁護をしてしまうけれど、テレビのすごさ、ポテンシャルを知ってほしい」と、テレビへの想いを熱弁した。

「大手メディア(の製作)ならではの取材力が感じられた」とデーブ・スペクター
「大手メディア(の製作)ならではの取材力が感じられた」とデーブ・スペクター


これに須賀川監督も「若い世代の方々はなかなかテレビを見ることがないかもしれないけれど。YouTubeなどいろいろな媒体もあるので、そこからテレビ報道に興味を持っていただけたらと思う。そうすることで、テレビ報道だけを見た場合と比べて、世界の反対側で起こっていることへの感じ方が違ってくると思うんです。そうした人々が増えて、議論になっていくのも良い。視聴者の考え方をかき回していきたいというのもあります」と同調。

渡部は、「戦争報道や国際情勢となると、すごく力が入ってしまって難しく向き合ってしまう。これは大切なことでもありますが、若い人が日常の中で世界とつながっていくきっかけというのも、たくさんあると思う。例えば、ファッションでもグルメでも歴史でも映画でも。自分が熱中できることから世界へつながっていくことはできる。この作品にはそのサインがいくつも散りばめられているという印象を受けました」と締めくくっていた。

取材・文/平井あゆみ

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