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豪華絢爛なオープンセットから国宝、重要文化財の“本物”も駆使…思わず見惚れる、『レジェンド&バタフライ』贅沢な撮影現場に潜入!

コラム

豪華絢爛なオープンセットから国宝、重要文化財の“本物”も駆使…思わず見惚れる、『レジェンド&バタフライ』贅沢な撮影現場に潜入!

信長と濃姫の初夜で繰り広げられる一触即発バトル!

10月16日。この日は、東映京都撮影所に作られたセットで信長と濃姫の初夜のシーンの撮影だった。『レジェンド&バタフライ』は、木村拓哉が「信長として京都に帰ってきたい」という長年の想いが実現した作品でもあり、ロケ以外の撮影はすべて京都の撮影所で行われている。その数、6つのステージに十数セット。那古野城の外観は豪華なオープンセットが建てられたが、各居室は撮影所に作られた。

綾瀬はるか演じる濃姫との初夜のシーンは、緊張感がありつつもどこかクスッと笑えてしまう
綾瀬はるか演じる濃姫との初夜のシーンは、緊張感がありつつもどこかクスッと笑えてしまう[c]2023「THE LEGEND & BUTTERFLY」製作委員会


祝言を終え、初夜を迎える信長と濃姫。初夜という響きからロマンチックな夜を想像するかもしれないが、この2人は政略結婚、この物語は最悪の出会いから始まる夫婦の物語であり、初夜のシーンは事前にアクション練習をするほどのバトルが繰り広げられる。まずは約6ページにわたる芝居の前半4ページ分を一連で撮っていく。時間にして5分半。酒を注げ、肩を揉め、脚を揉め……緊張して強がっているのだろうか、横柄な態度をとる信長に対して、濃姫が物申すことでバトルが勃発する。そもそも「自分は尾張を攻め落とすために送り込まれた」と言う濃姫。勝ち気で頭もきれる、現代でいうならばやり手の経営者のような女性像だ。しかも今回が三度目の結婚。口を開くまでは、美しく淑やかな女性に見えていたが、実はそうではなかった──というギャップに信長は対応できず、カッとなって刀を抜いてしまう。けれど、その刀すら濃姫にもぎ取られて、汲み伏されてしまうというシーン。

結婚早々の壮大な夫婦喧嘩と捉えることもできるが、時代は戦国、互いに尾張と美濃を背負う者であるがゆえに引くに引けない。そんな本気のバトルのなかに絶妙なコミカルさを混ぜて演じているのが、木村と綾瀬のすごいところ。過去に共演経験があるとはいえ、会話も、アクションも、ぴたりと息の合った芝居に見惚れてしまっていた。そして、信長の「出会えー!」のひと言で、濃姫を見守るお付きの人たちが芝居に加わると、怒号が飛び交い、一触即発!ではあるけれど、どこかクスクス笑ってしまうシーンになっていた。後に魔王と呼ばれる信長にも、こんな一面があったのかという新しい信長像に驚かされた。ちなみに、見た目以上に芝居の動きはハードらしく、綾瀬の衣裳が破けて、中谷美紀の演じる各務野が繕っているシーンもカメラに収められていた。

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