テイラー・スウィフトがサーチライト・ピクチャーズで初の長編映画監督デビュー!
ミュージシャンとして数々の記録を打ち立てるだけでなく、『キャッツ』や『アムステルダム』で映画女優としても活躍するテイラー・スウィフトが、長編映画監督に初挑戦するニュースが発表された。ミュージックビデオの監督を何本も務めてきたスウィフトはサーチライト・ピクチャーズと組み、脚本も彼女自身が手がける予定。2021年には、アルバム「レッド」に収録されていた「All Too Well」をもとにした短編映画『All Too Well: The Short Film』を発表している。
この短編映画はスウィフトの監督・脚本作で、『ストレンジャー・シングス』や映画『The Whale(原題)』のセイディ・シンクと『メイズ・ランナー』(14)のディラン・オブライエンが出演。今年9月のトロント国際映画祭では35ミリ上映と、スウィフトやシンクが登壇したトークイベントも行われていた。この短編映画は数々の音楽賞で受賞している。
テイラー・スウィフトとサーチライト・ピクチャーズで映画を撮っている先輩、『イニシェリン島の精霊』のマーティン・マクドナー監督との対談がVariety誌上で公開されているが、対談の中で「もともと監督をやってみたかったんですか?」というマクドナー監督の質問に、「いつも物語を語りたいと思っていました。ずっと物語や詩や曲を描いてきて、この短編映画も物語を語ることから派生したものなんです。そしてやればやるほど、楽しめるようになりました」とスウィフトは答えている。
また短編映画の『All Too Well』を制作するにあたっては、「ストレンジャー・シングス」を観て「存在感があり、普通の演技では見られない繊細な感情を表現できる女優」と直感し、面識がないセイディ・シンクを念頭に置いて脚本を書いたのだという。シンクが涙を流すシーンは、彼女が「聴くといつも泣いてしまう」というフィービー・ブリジャーズの曲「Savoir Complex」を現場で流して準備したという舞台裏も明かしている。この曲のミュージックビデオは、マクドナー監督のパートナーであるフィービー・ウェラー=ブリッジが、ポール・メスカルを主演に迎えて監督している。
このテイラー・スウィフト長編映画監督初挑戦のニュースには、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のザ・ダニエルズの一人、ダニエル・クワン監督もSNSで反応。「テイラー・スウィフトのニュースでとても気に入っているのは、“監督業”をカッコいいものに見せてくれる写真を見つけたことです。自分が首からモニターを下げ、同じように猫背で、漠然と手を開いている写真を何枚も見てきました。テイラーも、僕らと同じだ!」
「幸運を祈ります。ミュージックビデオから長編映画監督へ移行するのは、とても過酷なものです。彼女が僕らよりも優雅に跳躍してくれることを願っています(笑)」
音楽界のスーパースター、テイラー・スウィフトの長編初監督のニュースは、たくさんのクリエイターを刺激したようだ。どんな作品になるのか続報が待たれる。
文/平井伊都子