「まさか『アバター』で泣くとは思わなかった」「人生の記憶に刻まれる大作」…『アバター』がすごいのは映像だけじゃないって本当?
押井守、樋口真嗣…映画のプロは『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』をどう見た?
圧巻の映像美と人間の在り方を問うような骨のある物語が絡み合う、どこをとってもハイレベルな本作に対し、著名人からもコメントが寄せられている。『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(95)などで知られ、キャメロンとも交友のある押井守監督は、
「デジタルの進歩は日進月歩なので、これからこれ以上の表現も出てくると考えるのは安直。
前作も結局、13年もの間、『アバター』以上の映像はなかった。
前作のクオリティをまたキャメロンが自分で押し上げた」
と、これ以上ない賛辞を送っている。また、日本特撮界の重鎮、樋口真嗣監督もキャメロンのクリエイティブへの姿勢、仕事ぶりに対し、畏敬の念ともとれるような以下のコメントを寄せている。
「ひたすらに真面目、そして一途なまでに一筋。
常に真剣勝負。他の追随を一切許さない姿勢。
たとえどれだけの歳月を費やしたとしても、
たとえ取り巻く世界が変わったとしても。
己が信じる道をひたすら進み続けるのだ。
誰も続く事すらできない孤高の道を
命尽きるまで歩み続けるのだろう。
そして、取り残された我々は
見届けることだけが許されるのだ」
さらに映画ジャーナリストの宇野維正は「考察や解釈を必要としない王道のストーリーテリング。『エイリアン2』や『ターミネーター2』に連なる『続編のキャメロン』ここにあり」とコメント。本の監修を務めるなどキャメロンへの造詣が深い映画ライターの神武団四郎も「アクション、スペクタクルだけでなくストーリーテラーとしても定評あるキャメロン。ビジュアルで話題の今作だが、家族や友情を描いた絆のドラマにも心打たれた!」と物語面を高く評価する言葉が並んだ。
たっぷりと時間のある年末年始、キャメロンのこだわりが随所に込められた『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』を映画館で鑑賞して、その真価を自身の目で確かめてほしい!
構成・文/サンクレイオ翼