「さすがと言うしかない」“映画館音響のプロ”LOVE PSYCHEDELICOのNAOKIが大絶賛!「アバター」最新作の考え抜かれた音作り|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
「さすがと言うしかない」“映画館音響のプロ”LOVE PSYCHEDELICOのNAOKIが大絶賛!「アバター」最新作の考え抜かれた音作り

インタビュー

「さすがと言うしかない」“映画館音響のプロ”LOVE PSYCHEDELICOのNAOKIが大絶賛!「アバター」最新作の考え抜かれた音作り

世界歴代興行収入第1位の偉業を打ち立て、映画史を塗り替えた超大作『アバター』(09)から13年。続編『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』が公開中だ。ジェームズ・キャメロン監督による、いっそう進化、深化した映像美や、想像を遥かに超えるスケールで描かれるパンドラの世界の話題で持ちきりだが、 全編を通して流れる音楽にも熱い視線が注がれている。マイケル・ジャクソンの再来と言われるスーパースター、The Weekndが手掛けたテーマソング。劇中でも重要な役目を担う、異星の“ナヴィ語”で歌われるゾーイ・サルダナによる心を揺さぶるハイライト曲。それらの楽曲と全編のスコアを、グラミー賞受賞作曲家のサイモン・フラングレンが丁寧に綴っていく。細心の注意を払った美しいサウンドスケープが、神秘の星“パンドラ”を、いっそうリアルに体感させてくれる。



MOVIE WALKER PRESSでは、LOVE PSYCHEDELICOのギタリストであるNAOKIにインタビューを敢行。LOVE PSYCHEDELICOとしての活動以外に、OKAMOTO'SやTHE BAWDIESの楽曲プロデュースや、ツアーのためにカスタム・スピーカーを制作し、映画館の音響システムの調整にも関わるなど、業界屈指の音響マニアであるNAOKI。今回は“音の専門家”としての本作における分析を伺いつつ、キャメロン監督の作品への愛やサントラの聴きどころなどを語ってもらった。

「『僕の作品はアトラクションにはしない』っていうキャメロン監督の明確なこだわりを感じました」


映画館の音響監修も務めるLOVE PSYCHEDELICOのギタリスト、NAOKI
映画館の音響監修も務めるLOVE PSYCHEDELICOのギタリスト、NAOKI

キャメロン監督による映画は、これまでにもいろいろと観てきたというNAOKI。最新テクノロジーを駆使する一方で、映画の本質を大切にする古典的な監督であることを、今回改めて痛感したそうだ。
「3Dって使い方によっては、もっとアトラクションみたいにすることもできると思うんです。そこはジェームズ・キャメロン監督、前作は当時の3D映画ブームの火付け役としても大変話題になった記憶があるんですが、そんなシチュエーションのなかでも、アトラクションとしての3Dではなく、アバターの世界に奥行きを付けるというプラスアルファな使い方だったように思うんです。今回も音のミックスの方向性のなかで、それと同じようなことを感じましたね。映画の“音”の表現において、立体感や臨場感ももちろん大切なことですが、やはり映画にはまず台詞があって、そこに効果音があって、劇伴があってという、その基本的なことが大切なわけです。3Dじゃないと伝わらないとか、立体音響じゃないと感じられないのではなく、どんなスペックの劇場でもちゃんと楽しめる映画になっている。これは僕、すごく大切なことだと思っているんですね。その根幹が本当にすばらしい作品だったので、最近の作品のなかでも、ここまで古典的なのもすごいなと思いました。作品が変わってもブレないその映画愛にとても好感が持てました」。

鑑賞したのはドルビーアトモスの劇場だったそうだが、「いい意味で、ドルビーアトモスなのに、派手すぎない気もしました」と打ち明ける。
「もちろんドルビーアトモスが効果的に使われているシーンもたくさんありました。薄暗いなかで、あちこちから雫がピチャピチャ落ちてくるところとか、すごく綺麗な音だったのを覚えています。そういうのは、やはりドルビーアトモスならではのよさですよね。ただドルビーアトモスは、普通の7.1chの劇場のスピーカーに加えて、天井にもスピーカーがたくさん設置されているので、やろうと思えば、シーンによっては頭上を斜めにヒューって音を走らせたりとか、アトラクション的なことがいろいろできるんです。でも、そういうガシャガシャ音を飛ばしたり、効果音がむやみやたらに天井に行ったりしないという。そこが、かえって古典的でいいなと思いました。3Dや4Dにも挑戦もするけれど、最終的には『僕の作品はアトラクションにはしない』っていう監督の明確なこだわりを感じました。そこがカッコいいですよね」。

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■NAOKI(LOVE PSYCHEDELICO)
1997年、青山学院の音楽サークルにてボーカルのKUMIと共にLOVE PSYCHEDELICOを結成。2000年4月、シングル「LADY MADONNA~憂鬱なるスパイダー~」でデビュー後、2001年1月に発表された1stアルバム『THE GREATEST HITS』、2002年1月に発表された「LOVE PSYCHEDELIC ORCHESTRA」と2作連続ミリオンセールスを記録し、トップアーティストとしての地位を確立。2020年にはデビュー20周年を迎え、2022年10月から5年ぶり8枚目のオリジナルアルバムを引っ提げ、全国ホールツアーを成功させるなど、精力的な音楽活動を続けるかたわら、映画館の音響監修を務めるなど多岐にわたり活躍。
・公式サイト:https://lovepsychedelico.net/
・「A revolution」Music Video:https://www.youtube.com/watch?v=yozj8alG_e0

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