有終の美?打ち切り?「ベター・コール・ソウル」「THIS IS US」「ウエストワールド」…明暗を分けた“2022年終了海外ドラマ”まとめ
多くの作品がキャンセルを食らったNetflixオリジナルドラマ
不本意なものもあれど、それなりの結末を迎えたこれらのドラマに対し、多くの作品が打ち切りという厳しい目に遭ったのがNetflixの作品たちだ。ジェームズ・ワン製作の「アーカイヴ81」、マイケル・B・ジョーダン製作総指揮のヒーロードラマ「レイジング・ディオン」ほか、「ベビーシッターズ・クラブ」「わが愛しのブロックバスター」「シスター戦士」「ハーフ・バッド: ネイサンと悪の血脈」「ミッドナイト・クラブ」など、シーズン1もしくは2で終わるものが続出した。
アメリカで新設された宇宙軍を舞台にゴタゴタが繰り広げられる、Netflix史上最大のコメディ企画「スペース・フォース」もその一つ。アメリカ版「ジ・オフィス」のグレッグ・ダニエルズとスティーヴ・カレルのコンビによるこのドラマもシーズン2で打ち切られることになった。
シーズン2更新の段階で撮影地をロサンゼルスからバンクーバーに移すというコストカットをしていた「スペース・フォース」。シーズン2の視聴者数も公開されておらず、大きく低迷したことが予想される。なお作品の評価自体はグッと高まっていただけに惜しい1作だ。
人気の原作、シリーズものであっても容赦なく打ち切られてしまうのが恐ろしいところで、繰り返し映画化されているカプコンのサバイバルゲームを実写ドラマ化した「バイオハザード」も7月に配信されると、8月には早くも終了が報じられた。
ゲームの世界観を有する正史として作られた本作は、人気シリーズだけに配信初週の週末には720万人が視聴し、ランキングの2位に入る好スタートを切った。だが、3週目にはトップ10から外れ、視聴者数で伸び悩むことに。さらにキャラクターの解釈などで評価も芳しくなかったためシリーズは終了となった。
そんな苦戦が続くNetflixの作品のなかで、麻薬組織の資金洗浄を題材とする「オザークへようこそ」は、エミー賞を複数受賞するなど高い評価を得ており、打ち切られることなく、4月にシーズン4でシリーズが完結。
お互いの夫が実は恋人同士という事実を知ったグレイスとフランキーの女性同士の友情を描いた「グレイス&フランキー」も4月にシーズン7で完結した。この作品もエミー賞にたびたびノミネートされており、やはり作品の質こそが長く続くうえで重要だということを示している。
長い期間続いた作品との別れほど、ファンにとっては寂しいものだが、次々と注目作が世に放たれているのも事実。2023年も人気シリーズはもちろん、新たなドラマを楽しみたいところだ。
文/サンクレイオ翼