戦国時代の素朴なギモンも解消!時代考証学会会長に聞く『レジェンド&バタフライ』歴史教室

コラム

戦国時代の素朴なギモンも解消!時代考証学会会長に聞く『レジェンド&バタフライ』歴史教室

木村拓哉綾瀬はるかの共演で、織田信長と濃姫との知られざる物語を描く歴史超大作『レジェンド&バタフライ』(1月27日公開)。本作の公式サイトとMOVIE WALKER PRESSでは、作品をより深く楽しむためのWEBマガジン「レジェバタ公記」を展開中だ。『レジェンド&バタフライ』は織田信長と濃姫の物語を描いているということで、もちろん舞台は「戦国時代」なのだが、歴史=ちょっと難しいと捉えている人も少なからずいるのでは?そこで今回は、本作の時代考証を担当した時代考証学会会長の大石学先生(東京学芸大学名誉教授)へのオンラインインタビューを実施。戦国時代ってそもそもどんな時代だったのか、信長と濃姫はどんな夫婦だったのかなど、素朴なギモンを直撃。映画がもっと楽しくなる、知ってそうで意外と知らない歴史のあれこれを教えてもらった!

「天下統一とは武力による制覇、武力のトーナメント戦を勝ち抜くこと」

『レジェンド&バタフライ』の時代考証を担当した時代考証学会会長の大石学先生に、戦国時代のギモンに答えてもらった!
『レジェンド&バタフライ』の時代考証を担当した時代考証学会会長の大石学先生に、戦国時代のギモンに答えてもらった!

Q:そもそも「戦国時代」ってどんな時代だったの?
A:「日本の歴史を大きく分類すると古代、中世、近世、近代に分けられます。古代は天皇や貴族が中心に政治を行っていましたが、中世には武士が加わってきます。日本各地で武士が領国を形成し、武力によって日本を統一していく過程、それが戦国時代です。例えて言うなら“力の時代”で、そのなかでのヒーロー、成功者が織田信長です。その信長が作った時代を豊臣秀吉が継ぎ、徳川家康が完成させます。日本統一は同時に身分の確立を意味します。普段は農作業をしている農民も、戦(いくさ)になると農具を捨てて刀を持って出かけていく。戦国時代、農民と武士がはっきりわかれていません。そこから“兵農分離”、つまり農民と武士を分ける道を主導するのが信長、秀吉、家康です。農民が持つ弓や槍、刀を国家が独占する過程にある時代なので、『平和』の構築の過程とも言えます」

Q:織田信長って超有名だけど、なにがそんなにすごいの?
A:「古代、中世に展開してきた権威と権力を一掃してしまう大胆さですね。旧体制(アンシャン・レジーム)を破砕し、新しい社会を構築しようという日本の歴史としては珍しく思い切った変革を目指した人です。もしも本能寺の変が起こらず、信長が全国を統一していたら、君主が国を統治する全権を持つ絶対君主制になっていたと思います。強い意志と行動力で政治や経済の新しいシステムを作ろうとした点が、現代の私たちが彼に魅力を感じるポイントなのだと思います」

Q:出世して、天下統一するにはなにをすればいいの?
A:「言い方は悪いですが、人を殺せば殺すほど英雄に、人の土地を奪えば奪うほどリーダーにな
る、そのように厳しい時代が戦国時代です。合戦で手がらを立てることが出世する方法の一つです。天下統一とは武力による制覇、武力のトーナメント戦を勝ち抜くことを指します」

【写真を見る】日本史上初の天守閣が築かれるなど、信長の集大成とも言える豪華な安土城
【写真を見る】日本史上初の天守閣が築かれるなど、信長の集大成とも言える豪華な安土城[c]2023「THE LEGEND & BUTTERFLY」製作委員会


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