『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』でアイドル的人気を博した子役が再フィーバー。キー・ホイ・クァンは“空白の期間”、なにしてた?

コラム

『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』でアイドル的人気を博した子役が再フィーバー。キー・ホイ・クァンは“空白の期間”、なにしてた?

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(3月3日公開)での演技が高く評価され、先日のゴールデン・グローブ賞で助演男優賞を受賞したキー・ホイ・クァンことジョナサン・キー・クァン。スピーチでの「忘れないでくれてありがとう」という言葉が示しているように、キーは本作で約20年ぶりの本格的な映画カムバックを果たし、復帰作での受賞は大きなサプライズとして話題を集めた。

キー・ホイ・クァンの活躍を振り返る!(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)
キー・ホイ・クァンの活躍を振り返る!(『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』)[c] 2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.

キー・ホイ・クァンと言えば、80年代には子役として絶大な人気を獲得したものの、気がつけばいつの間にかその姿を見なくなっていた人物。空白の期間になにをしていたのか?ここでは彼の歩みを振り返っていきたい。

『インディ・ジョーンズ』、『グーニーズ』で一躍人気ものに!

インディの相棒ショート・ラウンドを演じた『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』
インディの相棒ショート・ラウンドを演じた『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』[c]Paramount/courtesy Everett Collection

1971年にベトナムのサイゴン(現ホーチミン)の中華系一家に生まれると、1978年のサイゴン陥落を機に家族と共に国を逃げだし、香港を経てアメリカへと移住したキー・ホイ・クァン。彼の名を一躍世界に知らしめたのが、12歳の時に出演したデビュー作『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』(84)だ。

本作でキーは、ハリソン・フォード演じるインディ博士に拾われた戦災孤児で、彼の相棒として共に冒険を繰り広げる“ショーティ”ことショート・ラウンド役に抜擢。尊敬するインディを真似した振る舞いで、どこか大人びた一面も持つ小生意気でかわいらしい少年を生き生きと表現した。

スピルバーグ監督とは『グーニーズ』でも仕事を共にすることに(『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』)
スピルバーグ監督とは『グーニーズ』でも仕事を共にすることに(『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』)[c]Paramount/courtesy Everett Collection

1985年には『~魔宮の伝説』のスティーヴン・スピルバーグ監督が製作を務める『グーニーズ』にも出演。主人公ら仲良し4人組の1人で、聡明な頭脳と科学の知識を生かしてヘンテコな発明ばかりしては失敗を繰り返すデータを演じ、お騒がせながらどこか憎めないキャラクターを魅力たっぷりに体現して見せた。


『グーニーズ』では、仲良しグループの1人で秀才のデータ役を演じた
『グーニーズ』では、仲良しグループの1人で秀才のデータ役を演じた[c]Warner Bros./courtesy Everett Collection

その愛くるしいルックスも手伝い、日本でも本田美奈子主演の『パッセンジャー 過ぎ去りし日々』(87)に出演するなど、アイドル的な人気を集めたキーだったが、ゴールデングローブ賞のスピーチで「ハリウッドで子役から大人の俳優へとなることはほとんど困難。アジア系となるとその100倍から1000倍は難しい」と語ったように、大きくなるにつれてハリウッドでの出演はほとんどなくなっていった。

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