中毒性の高い“魔性のロマンス”『別れる決心』を映画ファンはどう観た?「たまらなく映画らしい」「1回の鑑賞では到底読み取り切れない奥深さ」
言葉は要らない…主演2人が惹かれ合う男女の心を表情で体現
そんな複雑な人間関係や胸中を見事な演技でスクリーンに浮かび上がらせているのが、『殺人の追憶』(03)、『グエムル 漢江(ハンガン)の怪物』(06)などの韓国の実力派パク・ヘイルと『ラスト、コーション』(07)で知られる中国人女優のタン・ウェイだ。
タン・ウェイが演じるソレは中国から渡ってきた人物であり、韓国語もぎこちないキャラクター。立ち塞がる言葉の壁を乗り越えながら惹かれ合っていく様子を、パク・ヘイルとタン・ウェイは表情や眼差し、仕草で表現している。
例えば「片付けのシーンで突然ヘジュンとの息がぴったり合っていた」(20代・女性)とあるように、取り調べ中に食べた寿司のゴミを協力しながら片付けていく際の手際のよさなど、2人の間に流れるさりげない空気感からは、ヘジュンとソレの相性のよさやその後の予感が自然と感じ取れるのだ。
「人の関係性がセリフだけでなく、行動や仕草でわかってく感じがたまらなく映画らしい」(30代・男性)
「言葉がなくても最初から2人の相性がよいのが伝わった。その後も2人の関係性の深まりを映像で伝えていたのがよかった」(30代・女性)
「本当に2人の会話の間や目線など、すべてに意味があるのではないかと感じてしまうほど洗練された演技だったと思います」(20代・男性)
特に、そこはかとない色気を漂わせているソレ役のタン・ウェイには、「ソレの引き込まれる魅力がしっかり伝わるキャスティング」(20代・男性)、「ヒロインが怪しくかわいく、男性ならこの主人公のようになるだろうと思えた」(30代・女性)など、男女共に魅了された観客が多かったようだ。
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画面上の随所に詰まったパク・チャヌクのこだわり
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