“最強親父”リーアム・ニーソンの最新作から「007」「マッドマックス」「ワイスピ」まで!カーマニア必見のクルマ映画
高級車や巨大ゴミ収集車による激しいカーチェイスが『ブラックライト』の見どころ!
そして、今回ピックアップする『ブラックライト』はFBI長官直属の秘密工作員であるフィクサーが、国家を揺るがす陰謀に巻き込まれていく物語。任務中に姿を消した捜査官ダスティ(テイラー・ジョン・スミス)の確保を命じられたトラヴィスは、やがてダスティが“オペレーション・U”と呼ばれる極秘プログラムのメンバーだったこと、その内容を新聞社にリークしようとしていたことを突き止める。
劇中にはクルマ好きならグっとくる見せ場が詰め込まれている。まずはトラヴィスの乗るブラックのダッジ チャレンジャー SRT。たった1人で任務をこなす彼にとって、機器類はもちろん工作活動に必要なすべての道具を積み込んだこのクルマは愛車の域を超え“相棒”というべき存在だ。潜入捜査官の奪還劇をはじめ、ダスティの乗ったイヴェコの巨大なゴミ収集車と激しいカーチェイスを演じるなどアクティブな見せ場を盛り上げた。
トラヴィスの戦友で彼をフィクサーに誘ったFBI長官ガブリエル・ロビンソン(エイダン・クイン)が乗るのはキャデラック エスカレード ESV。エグゼクティブにふさわしいラグジュアリーカーだが、スポーティな味わいがロビンソンのキャラクターに通じている。
事件に巻き込まれる新聞社の編集長が乗っているのが、1980~90年代に人気を博したポルシェ 944ターボ。真っ赤なボディの1985年モデルで、FBIの冷徹な捜査官が乗るシボレー タホに激しく煽られクラッシュする。逃げる944とピタリと後ろにつけたタホのスリリングなチェイスは中盤の見せ場となった。
名だたるクラシックカーが並ぶ博物館でのアクションも!
注目してほしいのは、ダスティが新聞記者に接触する近代歴史博物館のシーン。トラヴィスが逃げるダスティを追うなかでクラシックカーの展示コーナーが登場し、コード コンバーチブルクーペやクライスラー タウン&カントリーからタッカー 48、オースチン 7、フォード サンダーバードなど、1930~60年代のクルマたちのエンブレムやボディが、これ見よがしに映しだされていく。
ほかにも逃走中のダスティが2015年型フォード マスタングに乗っていたり、チャレンジャーとゴミ収集車のカーチェイスに、クライスラー 300Cを乗せたキャリアカーが巻き込まれるなど、さり気ないところにクルマの見せ場が盛り込まれた『ブラックライト』。アクション、サスペンス映画としてのおもしろさはもちろん、クルマ好きにとっても見逃せない1本なのである。
文/神武団四郎