「いい意味で思ってたのと違った!」映画ファンレビューからひも解く、スピルバーグが『フェイブルマンズ』に込めた情熱と愛|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
「いい意味で思ってたのと違った!」映画ファンレビューからひも解く、スピルバーグが『フェイブルマンズ』に込めた情熱と愛

コラム

「いい意味で思ってたのと違った!」映画ファンレビューからひも解く、スピルバーグが『フェイブルマンズ』に込めた情熱と愛

巨匠スティーヴン・スピルバーグの“自伝的”ストーリーを自ら映画化した『フェイブルマンズ』が3月3日に公開され、本作を観た映画ファンたちから胸熱のコメントが多数寄せられている。MOVIE WALKER PRESSのユーザーレビューでは、「映画愛にぐっときた」という意見や、『ジョーズ』(75)や『E.T.』(82)などの過去作を絡めた考察、「いい意味で思ってたのと違った!」といったいろいろな声が上がっている。

少年サミーが両親連れられて観に行った映画は『地上最大のショウ』
少年サミーが両親連れられて観に行った映画は『地上最大のショウ』[c]Storyteller Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.

本作の主人公は、初めて映画館を訪れて以来、映画に心を奪われたサミー・フェイブルマン少年(ガブリエル・ラベル)。彼が両親との葛藤を経て、様々な人々と出会っていくなかで成長を遂げ、映画監督になるという夢を追い求めていく。本作は第80回ゴールデン・グローブ賞では作品賞(ドラマ部門)、監督賞のダブル受賞し、第95回アカデミー賞でも、作品賞、監督賞をはじめ主要含む7部門でノミネーションされ、オスカー最有力候補として熱い視線を浴びている。

初めて映画館に行ったサミーは映画に魅了されていく
初めて映画館に行ったサミーは映画に魅了されていく[c]Storyteller Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.

スピルバーグ監督の過去作にまつわる小ネタが満載

『ジョーズ』、『E.T.』、「ジュラシック・パーク」シリーズなどの娯楽作品から、第66回アカデミー賞で作品賞、監督賞など7部門を受賞した『シンドラーのリスト』(93)などの重厚な人間ドラマまで、数多くのヒット作を世に放ってきたスピルバーグ監督。本作では、そんな過去の監督作を彷彿させるようなトリビアが散りばめられている。例えば「『E.T.』の復活シーンの着想はここかな、とかいう視点でも楽しめて何度でもスクリーンで細部を見直したいと思う映画でした」という感じで、映画ファンたちが本作を鑑賞しながら、スピルバーグの”映画人生”を紐解いていく。

【写真を見る】映画に情熱を注ぐ、若き日のスティーヴン・スピルバーグ監督
【写真を見る】映画に情熱を注ぐ、若き日のスティーヴン・スピルバーグ監督[c]Everett Collection/AFLO

「幼きころの映画体験、なんともし難い家族の不和、スクールカーストやユダヤ人差別、その果てに芽生えた初恋など…人生のあらゆる出来事が彼のフィルモグラフィーに与えた影響を、2時間半の上映時間でまざまざと見せつけられました」
「ハリウッドの生き字引であるスピルバーグだからこそ描けた、夢と希望と映画の魔法が詰まったラストシーンは必見」
「スピルバーグの自伝的要素&歴代監督作とダブるシーンが盛り込まれており、ファンなら必見」
「映画を観終わると、もう一度これまでの監督の作品を見返したくなるし、より味わい深いものになると思います。特に『未知との遭遇』は絶対観たくなるはず!」
「家族がテーマにありつつも、サミー少年改めスピルバーグ監督のファンになってしまう。この作品の続きとして、スピルバーグ監督作品を初期から順番に観たくなった」


といった声のように、スピルバーグ過去のフィルモグラフィーをいま一度観たくなりそう。

自身にとって初となる自伝的映画を撮ったスピルバーグ監督
自身にとって初となる自伝的映画を撮ったスピルバーグ監督[c]Storyteller Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.


スピルバーグ監督の映画に懸けた情熱や映画愛を感じられる1作

スピルバーグ監督が「この物語を語らずに自分のキャリアを終えるなんて、想像すらできない」と、思い入れたっぷりに撮りあげた本作には、自身の映画作りに懸ける情熱や、映画への深い愛をめいっぱい盛り込んでいる。彼の幼いころからの飽くなき探究心とフィルムメーカーとしての熱意に感動した人も多いようだ。

「スピルバーグ監督は小さいころから映画に対する情熱は凄まじいことがわかる作品」
「映画を撮る楽しさがあふれ出てくる映画でした。彼のように才能がある人は限られているかもしれないけれど、彼のように自分の好きなことを続けていける人生を送りたい、そう思える映画でした」
「自分が人生のなかで大切にしている欲望や衝動を思い出す映画で、映画を撮っている人にとっては、いますぐにでも映画を撮りたくなる」
「映画を愛するすべての人へ向けたスピルバーグ監督の渾身の愛にあふれた映画。人生はすばらしい。どんなことにも意味がある…」
「もう半世紀も世界最高峰の映画監督の1人として映画を撮り続けているスピルバーグのほとんど思い出話のような進行でありながら、なにげないシーンの一瞬の描写や感情の数々に、それらは全部スピルバーグの映画」
「映画に取り憑かれ、映画に向き合って、人生のほとんどを映画人として生きた1人の人間として、人生と映画の関係性をここまで描き切ったような映画もなかなかないように思える」

上映会が行われ、サミーが撮った自主映画が大きな反響を呼んだ
上映会が行われ、サミーが撮った自主映画が大きな反響を呼んだ[c]Storyteller Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.

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