愛していればなんでもできる!?『地獄愛』の異常な愛の行方に耐えられるか
“彼(彼女)のことが好きだから、なんでもできる”なんてことを言う人がいるが、本当になんでもできるのだろうか?『地獄愛』(7月1日公開)のヒロインは彼氏を愛するがゆえにいとも簡単に殺人も犯してしまうから恐ろしい。
本作は1940年代に実在し、これまでにも映画の題材として描かれてきた変態殺人鬼カップル、マーサ・ベックとレイモンド・フェルナンデスをモデルに、お互いに惹かれあうがゆえに罪を重ねていく男女の姿を描いていくホラーテイストのラブストーリー。
ヒロインのグロリアはバツイチで子持ち。ある日、友人の薦めで出会い系サイトを通してミシェルという男と出会い、その日に結ばれてしまう。結婚詐欺師のミシェルは次の仕事のために彼女の元から去るが、グロリアは彼を探し出し、正体と生い立ち、すべてを受け入れ、愛し続けると誓う。
ここまではちょっとハードなラブストーリーぐらいの感覚だが、グロリアの異常性が発揮されるのはここから。娘を手放し、彼が結婚詐欺師を続けても近くにいられるように姉のふりをするグロリアは、ミシェルがたぶらかした女に嫉妬し、その女を殺してしまう。最初こそショックを受けるミシェルだが、強い愛情で結ばれた2人の行動は次第にエスカレートしていく。
人々の異常な愛と狂気を描いた『変態村』のファブリス・ドゥ・ヴェルツ監督が、本作ではさらにディープな愛のカタチを描いてみせる。いかにして愛が狂気を招いていくのか、そして2人の行動にどこまで共感できるのか。ぜひ怖いもの見たさで確認してほしい。【トライワークス】
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