横浜流星、藤井道人監督との6度目タッグに感慨!「藤井組での長編映画では初主演。一層気合が入った」
横浜流星が藤井道人監督と6度目のタッグを組んだ映画『ヴィレッジ』(4月21日公開)の完成披露イベントが3月30日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催され、横浜、黒木華、一ノ瀬ワタル、奥平大兼、作間龍斗、古田新太、藤井監督が登壇。横浜が「より一層気合が入って参加した」と藤井監督作品で主演を担った喜びを語った。
本作は“村”という閉ざされた世界を舞台に、同調圧力や格差社会、貧困、道を誤ったら這い上がることが困難な社会構造の歪みといった、現代日本の闇をあぶり出すサスペンス・エンタテインメント。横浜が、ダークサイドに堕ちた青年の優を演じた。また、『新聞記者』(19)や『MOTHER マザー』(20)など意欲作を世に送りだし、2022年6月に亡くなったスターサンズの河村光庸プロデューサーが手がけた最後の作品となった。横浜は「渾身の作品が完成しました。一人でも多くの方に届くことを願っています」と完成作に自信をみなぎらせていた。
横浜と藤井監督との付き合いは、7年になるという。横浜は「公私共にお世話になっている」と切りだし、「藤井組の長編映画では、初主演だった。もちろん毎回全力で魂を込めてやっていますが、より一層気合が入って、参加していました」と感慨深け。
藤井監督は「スターサンズという僕を育ててくれた映画会社の作品で、流星が主演。責任がすごくあって、押しつぶされそうになった瞬間もあった」と告白しつつ、「ホン(脚本)づくりの段階から、流星が励ましてくれた」と横浜の存在に大いに支えられたと話す。一方の横浜も「脚本の段階で、(藤井監督が)自分の想いも聞いてくれた。役者をやっているなかでの恐れや迷い、いま感じているいろいろなものを監督に伝えました。それをすべて受け止めてくれて、愛のある脚本を完成させてくれました」と感謝するなど、お互いに寄せる信頼を明かしていた。
撮影現場の様子を振り返った共演者陣は、優の幼馴染の美咲役を演じた黒木が「集中力がすごい」と称えるなど、横浜の気迫に驚いたと口を揃えた。自身の撮影後に現場を見学していたという、美咲の弟である恵一役に扮した作間は、「集中力がすごくて、何時間もシリアスなシーンを撮っていても、終わるまで弱音を吐くこともなく、ずっとピシッとした顔でやっていらっしゃった。すごいなと思った」と横浜の役者力を尊敬しきり。
作間と他愛もない話もしながら交流したと振り返った横浜は「すごく実直」と作間の印象を語り、「ずっと現場に残ってくれて、作品に対するまっすぐな姿勢を見てすごく好感を持ちました。これからもっとお芝居をやってほしい。映画は2作目だと聞いたんですが、意外です。すごく堂々としていた」とこれからの活躍にも期待を寄せると、作間は「2作目の舞台挨拶で、TOHOシネマズ六本木ヒルズのスクリーン7に立つとは思っていなかったです。昨日もあのへんで観ていました」と観客として通っていた劇場での舞台挨拶に、感激していた。
最後の挨拶では、藤井監督が「親子同然、師弟のような関係でこの映画を作りあげた」と改めて河村プロデューサーへの想いを吐露。オールアップの日も元気に見届けに来てくれた彼に、本作を観せたかった。まずは皆さんに届いたことを、すごく喜んでいるんじゃないかと思います」と心を込めた。横浜は「河村さんの熱い想いが込められている。それを藤井監督がホンにして、僕らが体現しました。その想いが、観てくださる方々の心にしっかりと届いてほしい。温かく受け取ってくださったらうれしい」と願い、会場から大きな拍手を浴びていた。
取材・文/成田おり枝