シャマランだけじゃない!スコセッシやスピルバーグ、キャメロンも…自作にカメオ出演した大物監督たち
『シックス・センス』(99)で世界中に衝撃を与え、『サイン』(03)や『スプリット』(16)、『オールド』(21)など話題作を次々と発表してきたスリラー映画の名手M.ナイト・シャマラン監督の最新作『ノック 終末の訪問者』が現在公開中だ。
シャマラン監督作品の見どころといえば、こよなくリスペクトする“サスペンスの帝王”アルフレッド・ヒッチコック監督へオマージュを捧げるように、ほとんどの作品に監督自身がカメオ出演していることだ。そこで本稿では、これまで自作にこっそりと出演した意外な大物監督たちをピックアップしながら、シャマラン監督のカメオ出演の歴史をたどっていこう。
意外と出たがり?あの名作で強烈な印象を残した巨匠
ロバート・デ・ニーロ演じるトラビスの姿を通して、ベトナム戦争後の荒れ果てたニューヨークの闇をあぶりだし、第29回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した傑作『タクシードライバー』(76)。同作を手掛けたマーティン・スコセッシ監督は、トラビスの運転するタクシーに乗り合わせる乗客を演じ、出演時間こそ短いものの、“妻を殺そうとする男”として強烈な印象を残した。
黒澤明監督の『夢』(90)でゴッホ役を演じるなど俳優としての出演作も多いスコセッシ監督。自身の監督作には長編デビュー作の『ドアをノックするのは誰?』(67)を皮切りに多数出演しており、『ヒューゴの不思議な発明』(11)ではカメラマンを演じたり、なかには声だけの出演作も。また、デ・ニーロやレオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット共演の短編映画『オーディション』(15)では、マーティン・スコセッシ役として出演した。
トレードマークをばっさり!意外なところにスピルバーグが
先月行われた第95回アカデミー賞で、スコセッシ監督と並んで現役最多9度目の監督賞ノミネートを果たしたスティーヴン・スピルバーグ監督も、自作にカメオ出演歴のある監督の一人。代表作『ジョーズ』(75)では声の出演で、『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』(84)では序盤の空港のシーンにジョージ・ルーカスやプロデューサーのフランク・マーシャルと一緒に映りこんでいる。
さらにスピルバーグ監督が初めてアカデミー賞作品賞と監督賞に輝いた『シンドラーのリスト』(93)では、収容所に集められたユダヤ人の1人を演じている。同作ではスッキリとヒゲを剃った状態で登場しているので、気付いていない人も少なくないだろう。是非チェックしてみてはいかがだろうか。
あの超ヒットメイカーは“声”だけでカメオ出演!
『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(22)の大ヒットも記憶に新しいジェームズ・キャメロン監督。同作を含め、全世界興行収入ランキングのトップ5に3作品がランクインする、名実ともにハリウッド屈指の超ヒットメイカーであるキャメロン監督のモットーは、“バレないように出演すること”だ。
言わずと知れた名作『タイタニック』(97)では、氷山についての会話の一部に声だけで出演。また『ターミネーター』(84)や『ターミネーター2』(91)、『アバター』(09)に至るまで、ほとんどの作品でなんらかの形で声だけの出演を果たしている。新作が発表されるたびに革新的な映像で注目が集まるキャメロン監督作品だが、どこかに隠れた監督の声を探すためにじっくりと耳をそばだてて映画を楽しむのも一興だろう。