「オードリーの美しさは、弱さも含めた強さ」豊田エリーがいまも愛され続けるオードリー・ヘプバーンの魅力を語る
「“銀幕の大スター”というイメージだったオードリーにとても親近感を覚え、より一層好きになった」
初主演した『ローマの休日』で24歳にしてアカデミー賞主演女優賞を受賞し、世界で称賛を浴びたヘプバーン。しかし私生活では幼少期に父親が自分のもとを去って以降、第二次世界大戦下での貧困、バレリーナになる夢への挫折を経験し、2回の結婚ともヘプバーンの「幸せな家庭」に対する憧れを実現できなかった。このドキュメンタリーを観てヘプバーンの人生における光と影を目にした豊田は「オードリーは自分が思っていた以上にとても愛情深い方でしたが、一方で計り知れない孤独も抱えていたことを初めて知りました」と述懐。
「でも、彼女は悲しみに引っ張られてふさぎこむのではなく、心の傷を愛に昇華させ、世界中の子どもたちに分け与えたことに感銘を受けました。オードリーが人生の後半を慈善活動に費やされていたことは知っていましたが、それ以外にもいろいろなことが知れたので、この作品を通して彼女の人生をたどれてよかったです」。
豊田は、『ティファニーで朝食を』(61)での制作秘話を観て、彼女の芯の強さにも驚いたそうだ。同作にはヘプバーン演じる主人公ホリーがギター弾きながら「ムーンリバー」を歌う名シーンがあるが、当初は映画会社の幹部からカットするようにと指示されていたとか。ヘプバーンの息子ショーン・ファーラーによると、それを聞いたヘプバーンは椅子から飛び上がり「死んでも許さない」と抗議したそう。豊田は「本当にカットされなくてよかったです」と安堵する。「いわばオードリーは、作品全体を俯瞰で見られる方だったし、相手がどんな立場の人でも、自分の気持ちを臆せずに発言できる方だった点にも感動しました」。
また、ヘプバーンがたまにぽろっと本音を漏らす点にも好感を持ったと言う豊田。例えばトーク番組で、2度目の結婚相手である精神科医のアンドレア・ドッティについて彼女は「患者には優しくても、家族はほったらかし」と美化せず自分の婚姻の実態を口にしている。「映画を観る前は“銀幕の大スター”というイメージだったオードリーにとても親近感を覚え、より一層彼女のことを好きになりました」。
【スターチャンネル 放送情報】
■『麗しのサブリナ』
[STAR2 字幕版]5月4日(木・祝) 16:00~
■『オードリー・ヘプバーン』
[STAR2 字幕版]5月4日(木・祝) 18:10~
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