坂口健太郎『サイド バイ サイド 隣にいる人』舞台挨拶で齋藤飛鳥の“秘密”に共感「僕も苦手です」
坂口健太郎主演の映画『サイド バイ サイド 隣にいる人』(公開中)の公開記念舞台挨拶が15日、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて開催され、主演の坂口、共演の齋藤飛鳥、浅香航大、市川実日子と、監督の伊藤ちひろが登壇した。
行定勲が企画、プロデュースを務め、『世界の中心で、愛をさけぶ』(04)をはじめ、数々の作品を行貞と作り出してきた伊藤がオリジナル脚本を書き下ろし、監督を務めた本作は、リアルとファンタジーが混在する「マジックリアリズム」が息づく物語。坂口演じる主人公の青年、未山はそこに存在しない“誰かの想い”が見えるという役どころで、本作の象徴のような存在だ。作品を観るタイミングや環境によって受け止め方の変わるとキャスト、監督が語るなか、「答えが分かるものは世の中に溢れています。自分なりの解釈やその時の解釈ができる作品はなかなかないと思っています」と魅力を言葉にした坂口。試写で観た際に浅香が「あたたかい涙が流れました」と振り返った。
未山について「なにを考えているんだろう、と気になる存在。演じていて不明瞭な部分もあったし、不安定な部分もすごく気になりました」と明かした坂口。「気になるってすごく素敵なこと。『未山って何者だったのかな』と残り続けるキャラクターだと思います」と坂口自身が感じた未山の魅力に触れていた。
「未山のような男性を恋人にしたいか?」という質問に齋藤は「うーん、恋人か…」としばし悩んだ後、「ごめんなさい」と坂口の方を向いて深々と一礼。「告白する前にフラれちゃった感じ…」と苦笑いの坂口に、齋藤は「人としては魅力的だけど、恋人として一緒にいたいかと言われると…」と悩ましい表情を浮かべる。しかし気持ちは変わらないようで「ごめんなさい」と再び頭を下げた齋藤の姿に坂口が「僕じゃないんだけどなあ…まあ、いいか」と返すと、会場は笑い声に包まれた。
「ネタバレになるので詳しく話せないキャラクター」と答えた草鹿役の浅香は、役柄上、撮影現場で意識していたこととして、「あまりコミュニケーションをとらず、ふわっと存在していました」とエピソードを披露。「時々、おすすめの納豆の写真を送ってくれました。『これ、おいしいよ』って」と坂口が明かすと、「それが僕なりのコミュニケーションでした」と笑顔。
イベントでは「人に言えない秘密」についてフリップで発表する場面も。「言ってしまったら秘密じゃなくなる…」と不満げな坂口だったが、齋藤の秘密「インスタグラムの投稿に苦戦している」には「めっちゃ分かる!」と大きくうなずきながら共感。実はフリップに「秘密はない」と書いた齋藤だったが、マネージャーからのタレコミ情報により秘密が暴露されてしまった。
この情報に「分かる!」と頷いていた坂口だったが「でも、ちょっとできなそうだよね」とニヤニヤ。「坂口さんに言われたくないんですけど(笑)」と反論した齋藤が「『よしやるぞ!』と思ってやり始めたわけじゃないから、ちょっと苦戦しています」と照れ笑い。坂口も「すごく難しい。僕は、アップされているかどうかが分からなくて。3、4回連打しちゃって、同じ投稿が並ぶ時があるし、ハッシュタグもいまいち分からない」とインスタグラム初心者トークを繰り広げる2人に、会場から応援のような拍手が送られていた。
取材・文/タナカシノブ