山寺宏一、実写吹替え初挑戦の橋本愛を「すばらしかった!『あまちゃん』から注目してた」と大絶賛。62歳の誕生日サプライズに喜びも
『THE BATMAN-ザ・バットマン-』(22)、『ジョーカー』(19)などのヒット作を生み出してきたDCの最新作『ザ・フラッシュ』(6月16日公開)のジャパンプレミアが6月14日に丸の内ピカデリーで開催され、日本版声優を務めた山寺宏一と橋本愛が出席した。ステージには、6月17日に62歳の誕生日を迎える山寺を祝って、サプライズでバットマンをモチーフにしたケーキが登場。山寺が「すごすぎる!」と感激の声をあげた。
時空を超えて現在・過去2人のフラッシュ、スーパーガール、バットマンなど豪華ヒーローたちが集結する本作。超高速移動することで時空を越える力を持つヒーロー、フラッシュ/バリー・アレン(エズラ・ミラー)が、亡き母を思う一心で“過去”を変えたことで、“現在”滅亡の危機を招いてしまう。
マイケル・キートン演じるバットマン役の山寺は、「今日は主役がいないんですよ!ほそやんが!」と開口一番、フラッシュの吹替えを担当した細谷佳正について触れ、「そのぶんも今日は頑張ります。かわいい後輩なので。細谷くんは僕を見て声優を目指したと言っているんです。細谷くんが大好きなんです。細谷くんが頑張った作品」と細谷への愛情爆発。細谷の演技について「悔しいほどすばらしかった」と称えるひと幕もあった。
実写映画の吹替えは今回が初めての挑戦となった橋本。DC映画初参戦となるスーパーガール役を演じたが、橋本は「声優さんのお仕事を2、3回くらいやらせていただいたことがあった。声のお仕事はすごく楽しいなと思っていたので、参加させていただいて本当に光栄」としみじみ。「難しかったところはあまりなかった」そうで、「タイムコードや(画面の)唇に合わせなきゃとか、そう思うと逆にあまりよくならなくて。どちらかというといろいろ無視してやるぞ!という気持ちでいると、表現としてクオリティの高いものが出せるんだなと、今回気づきました。あまりとらわれず、自由に表現を楽しむことを発見できました」と表現者としての学びもあったと話す。
「さすがです!」と切り出した山寺は、「最終的には(タイムコードや唇に)合わせなくちゃいけないんですが、それよりもちゃんと自分の芝居をする(ことが大事)。僕は(NHK連続テレビ小説)『あまちゃん』からずっと注目している。この人は只者じゃないぞ!と見抜いていましたからね」とニンマリ。「音響監督さんも『めちゃめちゃよかった』と言っていた。すばらしかったです!最初の一言で『おお!』と思いました。お見事」と絶賛すると、橋本は「ありがとうございます!」とうれしそうな笑顔を見せていた。
山寺は、「ずいぶん昔に、マイケル・キートンの演じるバットマンをやったことがあった。そのご縁があって今回お声がかかった。うれしい」と語るように、『バットマン リターンズ』以来31年ぶりにキートン演じるバットマンを担当したという。橋本が「まだそのころ(自分)は卵子にもなっていない」と微笑むなか、山寺は「だいぶ前です。その時以来なので、緊張しました」と明かす。『レゴバットマン ザ・ムービー』や『ニンジャバットマン』など様々な作品でバットマンを演じてきたが、「実写では久しぶり」と喜びをあふれさせていた。
また舞台挨拶の後半には、橋本が「ちょっと取りに行っていいですか」と席を外す場面も。「一人にしないでください」と山寺が戸惑うなか、橋本がバースデーケーキと共に再登壇。大きなバットマンが中央に飾られたケーキで、山寺は「ええ!? ウソ!」と驚きながら「うれしい!」と大感激。「62のおっさんですよ。おっさんの誕生日をこんなふうに!」と恐縮しつつ、「これすごすぎませんか!バットマンですよ!急速冷凍していただいて、一生大事にします」とケーキの完成度に惚れ惚れとしていた。
取材・文/成田おり枝