世界を震撼させた北欧系サイキック・スリラーが日本上陸!『イノセンツ』7月に公開決定
『わたしは最悪。』(22)でアカデミー賞脚本賞にもノミネートされた北欧の新鋭エスキル・フォクトが監督を務めたサイキック・スリラー『イノセンツ』が7月28日(金)から公開されることが決定。あわせて場面写真も一挙解禁された。
本作の舞台は、ノルウェー郊外の住宅団地。夏休みに友だちになった4人の子どもたちは、親の目の届かないところで隠れた力に目覚める。近所の庭や遊び場で、新しい力を試すなかで、無邪気な遊びが影を落とし、奇妙なことが起こり始める。2021年製作の本作は、第74回カンヌ国際映画祭ある視点部門に正式出品されると、2022年にはノルウェーのアカデミー賞と称されるアマンダ賞で、監督、撮影、音響、編集の4部門受賞。また世界の映画祭で16の映画賞を受賞するなど、高い評価を集めている。
近年、『ミッドサマー』(20)や『ハッチング―孵化―』(22)、『LAMB/ラム』(22)など、北欧を舞台にしたスリラー映画が日本の映画ファンの間でも大きな話題に。『イノセンツ』もまた、北欧ならではの美しく洗練されたヴィジュアルや不気味さと緊張感が漂う物語を世界中の映画ファンが高く評価している。監督を務めたフォクトはヨアキム・トリアー監督の右腕として、『母の残像』(16)、『テルマ』(18)、『わたしは最悪。』でトリアーと共同脚本を担当。監督作が日本で劇場公開されるのは初めてで、『イノセンツ』は彼にとって長編2作目となる。
“団地を舞台に子どもがサイキック・バトルを繰り広げる”というプロットを見て、大友克洋によるSFコミックの傑作「童夢」を想起する人も多いはずだ。フォクトは「童夢」からインスピレーションを受けて『イノセンツ』を創り上げたといい、北欧の映画界を代表する撮影監督の1人で、これまで『アナザーラウンド』(21)や『ハートストーン』(17)を手がけたシュトゥルラ・ブラント・グロヴレンにも、フォクトは「童夢」の世界観を意識するよう指示したという。フォクトは「大友監督の世界は非常にリアルでありながら、スタイリッシュ。作品作づくりにおいて非常にインスピレーションを得ました」とコメントしている。
また、日本公開決定にあわせて、11点の場面写真が一挙に解禁。写真には劇中でサイキック・バトルを繰り広げる主人公の少年少女たちの姿が収められていて、一見すれば無垢に見える子どもたちからは不穏な危うさを垣間見ることもできる。
日本の傑作SFコミックから着想を得た北欧系サイキック・スリラーの『イノセンツ』。不気味かつ美しいヴィジュアルを映画館のスクリーンで体感したい。
文/スズキヒロシ
※記事初出時、ヨアキム・トリアー監督のプロフィールに誤りがありました。訂正してお詫びいたします。