欠点だらけの考古学者、インディ・ジョーンズが愛される理由とは?過去の名シーンと共に深堀り!
インディが好きなものは、“歴史”と“帽子”と、気の強い女性“マリオン”!?
ここまで、インディの特徴や魅力を振り返ってきたが、彼がこよなく愛しているであろう3つのものをご紹介。一つはその生涯をかけて探求を続けてきた“歴史”だ。過去作でも、考古学者の第一人者として知られるほど知名度もあったインディが、どこか楽しそうな表情で歴史について語る場面も。
もう一つは、インディのトレードマークのフェドーラ帽だ。これまでの作品では、インディがピンチに陥った際、帽子を落とすと、必ずインディがそれを拾いに帰ってくるというのが恒例。床に落ちている帽子が画面に映ったかと思えば、横からすっと手が伸びて拾い上げる演出は、覚えているという人も多いだろう。
最後の一つは、生涯愛する女性だ。インディはこれまでいろいろなヒロインと冒険を共にしてきたが、そのなかでも本当に愛しているだろう女性が一人だけいる。それが『レイダース』、そして『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』(08)で登場したカレン・アレン演じるマリオンだ。
『レイダース』で登場したマリオンは、その時点ですでに、インディの元恋人という間柄。彼女は気が強くお酒にも強い、芯が1本通ったような女性だ。『レイダース』で再び結ばれたかに思われた2人だったがまた破局し、『クリスタルスカルの王国』で再会を果たす。その際にインディは、マリオン以外の女性と長続きしない理由について「何人かいたが、いつも不満があった。『君(マリオン)と違う』って」と話しており、心の中にはいつもマリオンの姿があったことがわかる。『クリスタルスカルの王国』の最後には結婚式を挙げた2人だったが、本作ではどんな間柄となっているのか、大いに気になるところだろう。
インディが嫌いなものはヘビと“ナチス”!?
インディ・ジョーンズにも、嫌いなものがある。それはヘビだ。『最後の聖戦』では、若かりしころにヘビが嫌いになったいきさつが描かれているが、毎回どこかには必ずヘビが登場し、インディが子どものように全力でダダをこねる場面は、無骨でハードボイルドな普段のインディとのギャップも相まって、どこか可愛らしくも見える。最新作では、どんな形でこのヘビが登場を果たすのだろうか。
そして、もう一つインディが嫌い(!?)なのが、“ナチス”だ。『レイダース』では聖櫃、そして『最後の聖戦』では、聖杯の奪い合いをインディと繰り広げたのがナチスの党員たちだ。インディはいつも、秘宝が持つ強大な力を悪用しようとするナチスの思惑を阻止するために、彼らと攻防を繰り広げてきた。最新作でも元ナチスでありながらNASAで働いているという科学者フォラー(マッツ・ミケルセン)と、“人類の歴史を変える力”を持つという「運命のダイヤル」の争奪戦を繰り広げることとなる。因縁の相手である“ナチス”の残党フォラーとインディがどんな攻防を繰り広げるのか、注目していただきたい。
40年以上も続く「インディ・ジョーンズ」シリーズは、『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』でフィナーレを迎える。これまで世界を飛び回り、秘宝を追い求めてきたインディ・ジョーンズにも引退の時が迫っていたが、かつての盟友バジル(トビー・ジョーンズ)の娘、ヘレナ(フィービー・ウォーラー=ブリッジ)の登場によって、インディは最後の冒険に出かけることとなる。興奮とスリル満点で、映画の醍醐味をたっぷりと味わうことのできる、究極のアドベンチャーをこの機会に映画館で体験してみて。
※記事初出時、作品タイトル表記に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
文/山崎伸子