テロップ芸や伝説のモノマネ大会、深夜ラジオ的ノリのフリートークも!?「ビーストウォーズ」が“声優無法地帯”と呼ばれる所以とは

コラム

テロップ芸や伝説のモノマネ大会、深夜ラジオ的ノリのフリートークも!?「ビーストウォーズ」が“声優無法地帯”と呼ばれる所以とは

最終回がまさかのモノマネ大会!?な「ビーストウォーズメタルス」

このようなギャグ要素は、続編の「ビーストウォーズメタルス 超生命体トランスフォーマー」、「超生命体トランスフォーマー ビーストウォーズリターンズ」へと進むにつれてパワーアップ。そのなかでも特に、「メタルス」における最終話「ファイナルリミックス・バナナをわすれた!」はインパクト大のエピソードの一つだ。

正式な最終話はこの前話「ハッピー?これでいいのだ」なのだが、おまけエピソードとして日本語版のみで放送。第14話「リミックス・バナナはどこ? 」と同じく、各話の本編映像を再編集したもので、前話でメガトロンの野望を打ち砕き、セイバートロン星への帰路につくサイバトロン戦士たちだったのだが、コンボイがバナナを忘れた(!?)ために惑星へ引き返すという本筋とは関係のないストーリーが展開されていく。前半&後半パートに分けられ、前半では契約の書に記された「真の勇者が伝説のバナナの種を手に入れるであろう」という記述に則り、サイバトロンとデストロンがバナナの種の争奪戦を繰り広げる。そして後半では、種は2つあったことが発覚したため、契約書の「限りなく真実に近い模倣したもの、二つ目の種を手に入れるであろう」という記述を「つまり!モノマネの上手い奴が勝ちだ!」と解釈したメガトロンの提案によって、まさかのモノマネ大会が開始されてしまう!

ピカチュウや銭形警部などオーソドックスなネタに続いて、チータスが「名探偵コナン」の小嶋元太や「GTO」の鬼塚英吉、ラットルが工藤新一をモノマネしようとすると、これらは演じる高木と山口の持ち役のため、反則としてお仕置きの対象に。さらに、クイックストライク(声:飛田展男)の刑事コロンボ、インフェルノ(声:三木眞一郎)による「料理の鉄人」のキッチンレポーターなどは、お子様にはわからないということでこちらもお仕置き。ライノックスのジャムおじさん、デプスチャージ(声:梁田清之)のジャイアンもクオリティは高かったものの、おそらく他局作品ということでお仕置きされている。また、前半と後半の合間には、番組放送前に流れた5秒の告知CMをプレイバックする特集も。「このあとは、『開運!なんでも…』!」(チータス)や「俺、ビースト辞めてモーニング娘。に入るわ。え?ダメ?」(ダイノボット)、「今日のビーストはおいしいラーメン屋とくしゅう!しちょうりつはいただき!」(メガトロン)といった具合でボケまくっており、短い時間のなかで貪欲に笑いを取りに来る姿勢はさすが!と感服せずにいられない。

ノリが深夜ラジオの「ビーストウォーズリターンズ」

「メタルス」に続く「リターンズ」はそれまでの地上波放送からモバイル放送のモバHO!に変わったことで、アドリブが暴走。オープニング&エンディングテーマの代わりに声優陣によるフリートークが行われたほか、本編では下ネタが次から次へと飛びだすなど、深夜ラジオのノリのようなフリーダムな空間になっている。また、DVD最終巻の特典には「メタルス」に続いて恒例の(?)モノマネ大会が収録されているほか、声優陣たちがそれぞれの恥ずかしいエピソードを明かしていく「はずばな~」という企画も。トイレにまつわる失敗談などが赤裸々に語られており、本シリーズが“声優無法地帯”と呼ばれる要因にも大きな役割を担うこととなった。


『ビースト覚醒』に「ビーストウォーズ」のキャストも参戦!

いよいよ公開が迫る『トランスフォーマー/ビースト覚醒』の日本語吹替版には、子安や高木、柚木、飛田ら「ビーストウォーズ」からの声優陣も参加。さらに、演出として岩浪も携わっているという。さすがにテレビアニメ版のようなアドリブはできないかと思うが、シリーズファンにとって胸アツな本作と共に、放送中の「ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー アゲイン」など過去作も楽しみたい。

コンボイを演じていた子安武人がオプティマスプライマル役で参戦!
コンボイを演じていた子安武人がオプティマスプライマル役で参戦![c]2023 PARAMOUNT PICTURES. HASBRO, TRANSFORMERS AND ALL RELATED CHARACTERS ARE TRADEMARKS OF HASBRO.[c]2023 HASBRO

文/平尾嘉浩

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