『スパイダーバース』クリス・ミラー&フィル・ロードが監督!「アフターパーティー」を見逃すな
キャストもいっそう豪華になったシーズン2
好評のシーズン1に続き、現在進行中のシーズン2(毎週水曜日に新エピソードが配信)ではいろいろとパワーアップしている。
前シーズンで思いを寄せるゾーイ(ゾーイ・チャオ)と結ばれたアニクは、彼女の妹グレース(ポピー・リュー)の結婚式に足を運ぶが、式の翌朝、新郎のエドガー(ザック・ウッズ)が息絶えた姿で発見されてしまう。アニクは刑事を辞めて作家に転身したダナーを呼び出し、犯人を見つけようと一緒に参列者への聞き込みを開始していく。
まず一気に豪華になっているのがキャスト陣だ。前シーズンは、あまり日本ではなじみのないようなコメディ界の人材が多かったため、デイヴ・フランコを除いては「この人、なんかドラマで見たことあるな〜」的なチョイスが多かったが、シーズン2では映画界で活躍する役者が顔をそろえている。
新婦の父役に「ハングオーバー」シリーズのケン・チョン、元カレ役に『リチャード・ジュエル』(19)などのポール・ウォルター・ハウザー、さらに叔父役に「スター・トレック」シリーズのジョン・チョーなど、ハリウッドで活躍するいぶし銀な役者が名を連ねている。
また各エピソードごとの映像表現も格段に大胆で、探偵かぶれのトラビス(ポール・ウォルター・ハウザー)にフォーカスした回ではノワールテイストのモノクロ映像で物語が語られていき、新郎の義妹で不思議ちゃんなハナ(アンナ・コンクル)の回ではシンメトリーな画作りや美術が独特なウェス・アンダーソン的な世界観が、花嫁のグレースの回では『プライドと偏見』的な貴族ものテイストと、より個性的に進化しているのだ。
表現の可能性を突き詰めるクリス・ミラー&フィル・ロードのコンビならではの映像に加え、コミカルな演出も多く1話30分ほどなので軽〜く見られるのもうれしいところ。とはいえ、つながっていく事件の謎など、さすがの脚本力による物語の見応えは抜群。映画好きこそチェックしておきたい作品だ。
文/サンクレイオ翼