没入感抜群のラージフォーマット、豪華すぎる吹替版…「ミッション:インポッシブル」最新作は映画館でどう観る?
画面、音響、体感…どれを選んでも最上級の没入感「映画館で味わうべき映画」(映画ライター・神武団四郎)
秘密組織IMFが活躍する「M:I」シリーズのキモが、トム・クルーズのアクション&スタントであることに異論はないだろう。スタントマンを使わず超高層ビルの外壁をよじ登った第4作『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(11)以降、クルーズはCGIに対抗するかのように生身の過激なスタントを連発。毎作のように、撮影中のケガを含め命がけの舞台裏が大きな話題を呼んでいる。今作でも、高さ1,200mもの絶壁から助走を付けたバイクでジャンプする、猛スピードのスカイダイビングが公開前から大きな話題になった。
本作はタイトルに「PART ONE」とあるように二部作。前篇にあたる今作は、込み入ったストーリーは絡めずにアクション&スペクタクルで押しまくる純度の高いジェットコースタームービーになっている。ベーリング海での潜水艦シーンで幕を開け、暗殺グループと激しい銃撃戦を繰り広げるイエメン国境付近の広大な砂漠、三つ巴の追走劇を展開するアラブ首長国連邦アブダビ空港の世界最大のターミナルなど、広大な空間を体感させる見せ場が次から次に登場。画作りも観客を包み込むようにデザインされているので、かつてない没入感が味わえる。アブダビからローマに移ると、狭い路地をバイクや車で駆け抜ける過激なカーチェイス、続いて幻想的な夜のヴェニスの街角で格闘戦と多彩なシチュエーションが楽しめる。どれもロケーションを活かしているうえ、銃、車、格闘、ナイフなどアクションのスタイルも変えるサービス精神は嬉しい限りだ。
本編の締めを飾るのが、雄大なアルプスを背にしたスペクタクル。バイクイーサンのスカイダイビング、続くオリエント急行車内の攻防戦&バトルはクライマックスにふさわしい見せ場になった。特に1両ずつ崖から落下していく列車内を必死でよじ登っていくスリリングな脱出劇は、思わず「あ!」と声が出そうなくらいの臨場感。「アトラク的」どころか「アトラク越え」のスリルが堪能できる。ローマでのカーチェイスもそうだが、アニメか?と言いたくなるほどあり得ないアクションを実写で、しかも生身でやってしまう姿勢は感動的だ。
そんな本作のアクションはIMAX認定カメラで撮影されている。スクリーンのアスペクト比(縦横比)はIMAX特有の縦に広いフォーマットではなくワイドなシネマスコープだが、クルーズたち作り手の思いをストレートに感じたいならIMAXシアターを選びたい。ただしシリーズ屈指の臨場感度が味わえる本作、とにかく迫力ある映像を!という人にはScreenXがオススメ。正面だけでなく左右の壁までスクリーンが広がる破壊力は格別だ。アクション満載の本作をアトラク的に楽しむなら風やミスト、動くシートなどエフェクトで登場人物と一体化できる4DXがぴったり。とことんアトラクを極めたいなら、よりエフェクトの多いMX4Dのチョイスもアリだ。一方サウンドを極めたいという人はドルビーシネマをチェックしたい。本作は『トップガン マーヴェリック』でオスカーに輝いたチームが音響効果を担当。ドルビーシネマなら、爆音など大音響から格闘戦での息づかいまでリアルなサウンドが堪能できる。画面、音響、体感とどれを選んでも最上級の没入感が味わえる本作は、「映画館で観るべき映画」にこだわり続けるトム・クルーズの真髄が詰まった作品なのだ。
構成/編集部