GENERATIONSを震え上がらせたホラークイーン“さな”が編集部に出現…呪いをかわす方法は?
連日の酷暑ですっかり疲れはてた8月上旬。取材を終えてMOVIE WALKER PRESS編集部へと戻ってきた私を待っていたのは、いつもとは違う“イヤな感じ”だった。
冷房は効いているはずなのに、心地良さはない。ほかの編集部員たちはいつも通り忙しなく働いており、この妙な違和感を感じているのは私だけなのだろう。右腕には、ぞわりと鳥肌が立っていた。
「なにか届いていましたよ」。隣席の編集部員に言われてデスクの上を見ると、「MOVIE WALKER PRESSさまへ」と書かれた小さな封筒が一つ、ぽつんと置かれていた。封筒の裏側に書かれた差出人の名前は「高谷さな」。つい最近、聞き覚えのある名前だ。
GENERATIONSのメンバーたちが本人役として出演を果たし、「呪怨」シリーズや「恐怖の村」シリーズを手掛けた清水崇が監督した、公開中のホラー映画『ミンナのウタ』。ある時ラジオ局の倉庫で30年前に届いたまま放置されていた一本のカセットテープを発見したGENERATIONSメンバーの小森隼が、忽然と姿を消してしまう。早見あかり演じるマネージャーの凛と、マキタスポーツ演じる探偵の権田が事態の解決に向けて動きだすなか、ほかのメンバーたちにも恐怖の連鎖が広がっていく…という物語だ。
この作品に登場する少女の霊が“さな”で、私は試写会で一足先に本作を鑑賞している。それを知っている誰かが仕掛けたタチの悪いいたずらだろう。そう思って封筒を開けてみると、中には一本のカセットテープと一枚の手紙が。
「わたしの曲きいてください〜 出来たらながしてほしいな〜」
独特な筆跡や書いてある文言はもちろん、女子学生が授業中に回す手紙のような折り方も、すべてが映画で観た通り…。いたずらにしては手が込みすぎている。
「まさかね…」と思わず呟きながらカセットテープを手に取ると突然、頭のなかで不穏なメロディーが呼び起こされた。映画の劇中で流れ、GENERATIONSのメンバーたちを恐怖のどん底へと引きずりこんでいったあの鼻歌だ。
つられて口ずさみそうになってしまう。
〜♪。
…いや、これは頭のなかで流れているのではない。確かにどこかから聞こえてくる。ついさっきまで騒がしかった編集部内のあらゆる音が、ぱたりと途絶えた。きーんとした静寂のなかに、あのメロディーだけがはっきりと残っている。
視界の片隅に、ただならぬ気配を感じた。
誰かがこちらを見ている…。