田村睦心、鳥山明作品『SAND LAND』主人公抜てきに「信じられない想いでいっぱい」と感激!“じじいトーク”や主題歌披露で大盛況のジャパンプレミア
鳥山明の同名漫画を映画化した『SAND LAND』(8月18日公開)のジャパンプレミア in IMAXが8月15日にTOHOシネマズ日比谷で開催され、田村睦心、山路和弘、チョー、鶴岡聡、imase(主題歌)、横嶋俊久監督が登壇した。
「ドラゴンボール」や「Dr.スランプ」など、数々の国民的作品やキャラクターを世に送りだしてきた鳥山明作品のなかでも、“圧倒的完成度を誇る名作”と称される漫画を映画化した本作。魔物と人間が共存する摩訶不思議な砂漠の世界を舞台に、悪魔の王子・ベルゼブブ(声:田村)が、魔物のシーフ(声:チョー)、人間の保安官ラオ(声:山路)と奇妙なトリオを組んで、砂漠のどこかにある“幻の泉”を探す危険な旅に出る姿を描く。
ベルゼブブ役の田村は、「小さなころから『ドラゴンボール』を観て育ってきた」そうで、「『鳥山明先生の作品に出られるなんて!』と、信じられない想いでいっぱいでした」と告白。オーディションはコロナ禍に入る前に行われたといい、「コロナに入ってすぐくらいにPVを録った。それから長い間、特に音沙汰がなかったので、もしかしてベルゼは別の方がやられるのかな…と思ったら、ちゃんと私がやらせていただけると聞いてすごくうれしかったです」と大きな笑顔を浮かべた。一緒にステージに上がったベルゼブブとは「元気いっぱいだね!」と声をかけるなど終始息の合った様子を見せ、「悪魔の王子というと“悪いヤツ”みたいなイメージがあると思いますが、心根はとてもピュアで純粋」とキャラクターに愛情を傾けていた。
「悪い役ばかりやってきた私が…」と茶目っ気たっぷりに切りだしたのが、山路だ。山路は「PVを録った時にも、(ラオのような)世の中のために率先して動くような役を私がやっていいものかと思ったんですが、やらせていただけて感激でした」としみじみ。司会から敬意を込めてジジイ役だと言われると、「このアニメは、非常に平均年齢の高いアニメ作品。あまり他にはない。世の中のおじさん、おじいちゃんと言われている方々にも楽しんでいただけると思います」と目尻を下げていた。
するとシーフ役のチョーも「ジジイによる、ジジイのための作品。ついにジジイの時代がやってきたか!」と声を大にして会場から拍手を浴びた。「もっと拍手してもいいんですよ!ジジイのために拍手!」と盛り上げて周囲の笑いを誘いつつ、ベルゼブブ&ラオ&シーフのトリオについて「『てんぷくトリオ』を彷彿とさせる。このトリオでうまくやるんですね。ボケとツッコミ、真面目がいるという3人模様を楽しんでいただければ」と魅力をアピール。アレ将軍役の鶴岡は「僕も入りたかった。絶対楽しいもん!うらやましい」と3人の関係性に嫉妬しながら、「その空気感をいかに凍りつかせるか、破壊するかというところに、国王軍の脅威がある。(3人の空気感を)壊していけるかがテーマだった」とアレ将軍役としてのこだわりを明かしていた。
またこの日は、主題歌「ユートピア」を担当したimaseも登壇した。曲に込めた想いについて、「本当に大切なものは自分の周りにあるんじゃないか。たまには自分自身を愛してみることも大切なんじゃないかと思いながら、制作しました。作品を観ても、ワクワク感とアドベンチャー感あふれるような作品だったので、楽曲からもそこを演出できるように、華やかできらびやかな楽曲を目指した」というimase。横嶋監督も「『劇場を、軽快な気持ちで出ていけるような曲だったらありがたいです』とお話をした。オーダー以上の曲になっていて、聴いた時にスタッフ全員で盛り上がった」と大絶賛。「すごくうれしい」と破顔したimaseは、「初の主題歌であり、鳥山明先生の作品ということで、自分で大丈夫かなという気持ちもあった。気合を入れて頑張ってみた」とプレッシャーがあったことも語っていた。
映画の主題歌を担当することも、舞台挨拶に参加することも初めてだというimaseだが、ステージでは「ユートピア」を生パフォーマンスする場面も。ベルゼブブと一緒に踊りながら、パワフルかつさわやかな歌声を響かせたimaseは、歌い終わると「緊張しました。でも皆さんがクラップもしてくれて楽しかった」と笑顔。田村は「すごくいい!」と興奮しきりで、「『SAND LAND』には、骨太な戦いもあるけれど、最後には明るく楽しい、ユートピアを感じられる雰囲気があると思う。それが歌に表れている」と映画とのシンクロ度を称えていた。
取材・文/成田おり枝