「ピクサーはとんでもなくハードルの高い挑戦をした!」映画人の声からひも解く『マイ・エレメント』高評価のワケ
著名人たちのコメント全文
●辛酸なめ子さん(漫画家・コラムニスト)
「地球や人間の体を構成する火、水、土、風のエレメント。火のエンバーが怒ったり熱くなったり、水のウェイドが感極まって号泣したりするたびに、自分の中の火や水が刺激されました。こんなに感情が揺り動かされるアニメーションははじめてです。実はエレメント・シティは自分の内側にも存在しているのかもしれません。」
●豊田エリー(俳優)
「魅力溢れる個性的なキャラクターたちに子どもはワクワク、そして大人は実社会と重ねながら世界観を深く読み解きたくなる、ディズニー&ピクサーの手腕は今回もさすが!
大切な相手と出会うことで夢が広がり、自分の成長にも繋がってゆく、そんなピュアで美しい恋心の芽生えが描かれていて、胸がポッとあたたかくなりました。
悪役がいなくても偏見や軋轢は生まれてしまうけれど、しなやかに健やかに乗り越えるためのヒントがたくさん散りばめられている、素敵な映画です。」
●藤津亮太(アニメ評論家)
「火や水を共感できるキャラクターとして創造する。簡単そうに見えて、とてつもなく難しいこの課題に、本作はとても魅力的な解答を出した。火のエレメント・エンバーは、赤や紫に色を変えながらゆらめくことで感情を伝える。水のエレメント・ウェイドの透ける体や溢れる涙は、包容力と共感力を体現する。本作は、アニメーションならではの想像力を駆使し、私たちの中にある様々な感情をストレートにすくいあげてくれるのだ。」
●八木竜一(映画監督)
「火や水などをキャラにして物語を作るなんて!絶えず変化し続けないといけないんですよ!感情によって変化したり、状況によって変化したり…、もう縦横無尽に余す所なく使いこなしているんです。ピクサーのエレメントマジックに頭がクラクラです!特に最後の方にある水のエレメント『ウェイド』の雫の演出は水だからこそ出来る表現で、とても心を動かされました。ピクサーはとんでもなくハードルの高い挑戦をこの映画でしています!!」
構成・文/神武団四郎