JO1・白岩瑠姫が明かす、初主演作との“運命的”な出会い「いつも思っていたことが、台詞になっている」

インタビュー

JO1・白岩瑠姫が明かす、初主演作との“運命的”な出会い「いつも思っていたことが、台詞になっている」

汐見夏衛の人気小説を、11人組グローバルボーイズグループJO1のメンバー、白岩瑠姫と、ティーンに絶大な支持を集める久間田琳加のW主演で映画化した映画“夜きみ”こと『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』(公開中)。新進気鋭の酒井麻衣監督がメガホンをとった本作は、優等生を演じるうちに周囲に本音を言えなくなり、マスクを手放せなくなった茜(久間田)の世界を、自由奔放なクラスの人気者である青磁(白岩)が変えていく青春ラブストーリーだ。

汐見夏衛のベストセラー小説をJO1の白岩瑠姫と久間田琳加のW主演で映画化
汐見夏衛のベストセラー小説をJO1の白岩瑠姫と久間田琳加のW主演で映画化[c]2023『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』製作委員会

MOVIE WALKER PRESSでは今回、映画初出演にして初主演という大役を果たした白岩に単独インタビューを敢行。自身を作ったという過去の経験を振り返ってもらいながら、「運命的」という青磁との共通点について、語ってもらった。

「僕は青磁の考え方にすごく親近感を抱いていた」

白岩瑠姫が演じたのは、自由奔放な性格で、絵を描くことをなによりも愛する青磁
白岩瑠姫が演じたのは、自由奔放な性格で、絵を描くことをなによりも愛する青磁[c]2023『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』製作委員会

初主演作について「映像や音楽がきれいで、視聴者として観ても、すごくいい作品だった」と語る白岩。取材時までに4回鑑賞し、ようやく自分の演技を観ることに慣れてきたという。「1回目に観た時は、不安が多くてまったく集中できなかったんです。でも回を重ねるごとに、細かい部分を気にする余裕が出てきました。ここよかったな、ダメだったなっていうところも見えてきたし、『もしも次に演技をすることがあればこうしよう』と考えることもありました」。

「なにをしたら役作りになるのかっていうこともわからなかった」という状態での初主演。そのなかでも白岩は“あること”を強く意識していたという。「演じてしまうと嘘っぽくなりそうな気がして。自然に、“演じすぎない”ことを意識しました。僕は青磁の考え方にすごく親近感を抱いていたので、力を抜いて演じてみたほうが、青磁に見えてくることもきっとあると思ったんです」。

白岩が青磁に抱いたという「親近感」とは?「青磁は茜に、『人生は一度しかないから、言いたいこと言って、やりたいことやったほうがいい』とか、『時間は永遠じゃない』って言うんです。僕も、すべてのことが永遠だとは思っていません。いまJO1であることもそうだし、ファンの方がずっと好きでいてくださるわけでもないと思っている。切ない考え方かもしれないけど、始まってしまったら終わりがあると思っています。そういう、普段は言わないけどいつも思っていたことが、台詞になっているみたいに感じたんです」。

「芽が出なかった時代が長かったことが、いまの僕の考えにすごく関わっている気がする」

過去の経験からいまの想いまで語った
過去の経験からいまの想いまで語った撮影/河内彩


白岩は現在、25歳。有限を知るには少し早いのではないか――。聞けば、中高生の頃にはもう「永遠はない」と思って生きていたという。そう思うようになったきっかけは、JO1としてデビューする前から芸能の世界に身を置いていた、彼の過去に遡る。

「以前活動していた時のファンで、JO1になったいまの僕をそのまま応援してくださっている方は、それほど多くはないんじゃないかと感じています。“好き”って言ってくれていた人が離れていってしまうのを経験してきて、『あと何年、僕を愛してくれるか』と考えては、『永遠ではないよな』と思ってしまうんです。決して、人を信用していないわけではないけど。そういうことを長年感じてきて、この考えに行きついたのかなと思います、多分」。

やや早口になる語調から、切実な思いが伝わる。しかしその考えに至った経験こそが、青磁を演じるにあたって活きた。作中で青磁が茜を変えたように、白岩にとって「自分を変えてくれた人」について尋ねると、しばらく悩んだ末にこんな答えが返ってきた。「経験」、すなわち「過去の自分」だ。

「前にいたグループもJO1と同じ11人組だったんですけど、11人より少ないお客さんの前でライブをすることもありました。芽が出なかった時代が長かったことが、いまの僕の考えにすごく関わっている気がします。その経験がなかったら、青磁を演じても共感できなかったと思います」。

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