中島健人、「いかに自分の決断を信じて、新たな道を切り開いていくのか」前のめりに進む主人公への共感を告白
映画『おまえの罪を自白しろ』(10月20日公開)のプレミアイベントが9月12日にウォーターズ竹芝で開催され、中島健人、堤真一、池田エライザ、山崎育三郎、中島歩、美波、水田伸生監督が登壇。豪華キャスト陣がレッドカーペットを歩き、約300人が集まった会場を沸かせた。
真保裕一の同名小説を、映画『舞妓Haaaan!!!』(07)やドラマ「Mother」などで知られる水田監督が映画化した本作。疑惑を抱える国会議員の宇田清治郎(堤)の幼い孫娘が誘拐され、犯人からは身代金ではなく「明日午後5時までに記者会見を開き、おまえの罪を自白しろ」という要求が届き、清治郎の息子で議員秘書を務める宇田晄司(中島)が、家族の命を救うために前代未聞の大事件に挑む。
この日は、物語の中心となる大物政治家一族の宇田家を彷彿とさせる黒塗りの車&SPのエスコート付きという、まさにVIPさながらの演出でレッドカーペットに現れた登壇者陣。大歓声があがるなか、海&夜景を背景とした野外イベントがスタートした。撮影から約1年が経ったそうで、中島(健人)は「暑いなか、皆さんと汗をかきながらこの映画を作りました。1年経って、試写や取材などいろいろとチームで取り組んできて、今日という日を迎えることができて本当にうれしいです」としみじみ。「このダイナミックなイベントが『おまえの罪を自白しろ』という映画に実に相応しいなと思っています」と喜びをかみ締めていた。
中島と堤は、事件をきっかけに対立していく親子役を演じた。中島(健人)は「お芝居の時の存在感、圧が圧倒的。若者ならではのパワーを全力でぶつけはしたんですが、そこに釣り合うかと言ったらまだまだやっぱりたどり着けない部分もある。俳優としてとても尊敬できる姿を見せていただいた」と初共演となった堤を尊敬しきり。「鼓膜から緊張感が伝わってくる」と堤の声の迫力にも驚いたといい、「僕が小さなころから、ドラマや映画などでたくさん活躍されている映画スター。その方を目の当たりにしてお芝居をするのは、自分にとってぜいたくなこと。こんなにぜいたくな時間があってもいいのかなという反面、すごく緊張もあって。父の子の対立を描いている映画なので、しっかりと僕も強い意識を持って、堤さん演じる清治郎にぶつかっていかなければいけないという使命感にかられました」と刺激を受けながら、体当たりで晄司を演じたという。
一方の堤は「現場の雰囲気が明るくなるし、元気。スタッフともよく話していた。僕はなかなか苦手なんですが、スタッフともよくコミュニケーションを取っていたので、本当にすばらしい座長でした」と中島の座長ぶりを絶賛。捜査一課の刑事を演じた山崎も、「いつも全力投球で、みんなのことを明るくしながら進んでいる姿を見ていました。あとずっとスマートなんですよね」とにっこり。「僕のほうがスマートさでは負けないんですが、自分に近いくらいスマートな人に初めて会った」と微笑むと、中島は「受けて立ちましょう」とスマート対決に自信をのぞかせ、さらに山崎も「負けないよ」と続いて会場も爆笑。山崎は「こういう感じで(笑)。初めて会ったと思えないような、お互いに同じ感覚がどこかある。作品のなかでもバディのような感じになるので、ケンティーとだからできる空気が一緒に作れてめちゃくちゃ楽しかったです」と目尻を下げていた。
また水田監督が「健人くんには、演出家気質と言いますか、そういったものの見方をするところがある」と切りだすと、堤も「音楽をやっているということもあって、ものづくりという意味では演出家的な目を持っている」と同調。水田監督は「もちろん常に全力投球で熱いけれど、客観性もある。物語が求めている次男像にぴったりだと思った」と中島を晄司役に抜てきした理由を明かした。すると中島は「俯瞰で見ることは大切にしています。生きるうえでも、自分の人生の立ち位置も必ず把握しないといけない。それは映画、音楽、コンサートを作るうえでも、すべてに共通していて。いま自分がどの立ち位置にいるのかということは、重視しています」とモットーを口にし、「そこを汲み取っていただけて、役者冥利に尽きます。ありがとうございます!」と声を大にしていた。
最後には「おまえの罪を」と呼びかけ、「自白しろ!」と観客とコールアンドレスポンスをして会場を盛り上げた中島。「人は生きているうちに、いろいろな境遇や環境に身を置かれると思います」と切りだし、「いかに自分の決断を信じて、新たな道を切り開いていくのか。そういうところに向かって、晄司が前のめりに進んでいったことに、いまの自分はとても共感しました。この映画を観れば、自身の決断で、前向きな希望や未来を切り開けるような気持ちにきっとなれると思います」と力強くアピールし、大きな拍手を浴びていた。
取材・文/成田おり枝