「天元突破グレンラガン」を象徴する主題歌「空色デイズ」!アニソンの名曲として愛され続ける理由とは?
『劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮篇』(08)の公開15周年を記念し、同作とそれに続く『劇場版 天元突破グレンラガン 螺巖篇』(09)が劇場で展開中だ。本作は2007年4~9月にかけて全27話が放送された「天元突破グレンラガン」の劇場版で、テレビアニメ版に多数の新規カットを追加し、全セリフが再収録されている。
物語の舞台は遠い未来。人類は獣人によって地下に追いやられ、日の光の差さない暗い地下で暮らしていた。そんななか、穴掘りの少年シモン(声:柿原徹也)が顔の形をしたロボット=ガンメンを手にしたことから、兄貴分のカミナ(声:小西克幸)や地上から落ちてきたヨーコ(声:井上麻里奈)たちと共に、地上を支配する獣人たちと死闘を繰り広げていく。のちに「キルラキル」、『プロメア』(19)を手掛けることになる今石洋之監督と、劇団☆新感線の脚本家、中島かずきらのもと、スピーディで外連味あふれるバトルにメカアクション、合体ロボ、そしてドリル!「お前が信じるお前を信じろ!」などの道理を超えた熱いセリフでも人気を博し、第11回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞を受賞した。そんな少年心をくすぐる要素が満載の本作を象徴するのが、オープニングテーマとして物語を盛り上げた中川翔子が歌う「空色デイズ」だ。
紅白でも披露された中川翔子が歌う「空色デイズ」
「空色デイズ」は2007年にリリースされた中川翔子の3rdシングル表題曲。同年末の第58回NHK紅白歌合戦に中川が出場した際に歌われたことでも知られ、この時はメドレー形式での登場だったが、歌唱後に「紅組のドリルで天を突け!」という「グレンラガン」から引用した決めゼリフをアドリブで叫んでいたのも印象的だった。ソニー・ミュージックエンタテインメントが2019年に実施した「平成アニソン大賞」では作曲賞(2000~09年)にも選ばれている。
同曲の作曲&編曲を務めた齋藤真也は、中川をはじめ様々なアーティストや声優、アイドル、アニメ、ゲームの楽曲を数多く手掛け、近年では女性VTuberたちによるメディアミックスプロジェクト「ホロライブ・オルタナティブ」、ヒップホップグループのRHYMESTERなどへの楽曲提供、映画『カメの甲羅はあばら骨』(22)の劇伴も務めるなど活動の場は多岐にわたる。作詞のmeg rockは岡崎律子とのユニット「メロキュア」としても活動し、テレビアニメ「円盤皇女ワるきゅーレ」の挿入歌「Agape」で平成アニソン大賞における平成30年間を通しての大賞の1曲に輝いたほか、アイドルや女性声優に作詞を提供している。このように、アニソンのツボを突いた楽曲でありながらJ-POPとしても成立する「空色デイズ」は、ジャンルの枠を超えて活動する中川、齋藤、meg rockの3人であればこその楽曲だったと言えるだろう。AKB48などのアイドルから声優アーティスト、アニソンの楽曲に数多く参加してきたギタリスト、石井裕による激しくかき鳴らされるエレキギターで始まるアッパーなサウンドも相乗効果を生みだし、視聴者にエモーショナルな高揚感をもたらした。