穐山茉由監督、井浦新からオーラを感じなかった!?映画『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』トークショーで告白

イベント

穐山茉由監督、井浦新からオーラを感じなかった!?映画『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』トークショーで告白

映画『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』(11月3日公開)のau全国試写会が10月24日、ユナイテッド・シネマアクアシティお台場にて開催され、上映後のトークショーに穐山茉由監督と映画ソムリエの東紗友美が登壇した。

【写真を見る】たくさん感想を聞きたいと笑顔で語った穐山茉由監督
【写真を見る】たくさん感想を聞きたいと笑顔で語った穐山茉由監督

元「SDN48」のメンバーで作家の大木亜希子の実録私小説を原作に映画化した本作では、崖っぷち元アイドルのアラサー、安希子と、56歳サラリーマン、ササポンのちょっと変わった共同生活を描く。原作小説は女性読者を中心に共感の声が拡がり、21年には「つんドル! 人生に詰んだ元アイドルの事情」(全3巻)のタイトルでコミカライズもされている。主人公の安希子に深川麻衣、ササポンに井浦新が扮し、ブランドのPRとして働きながら、映画監督としても活動する穐山監督がメガホンをとった。脚本は、「美しい彼」シリーズの坪田文が担当している。

東は本作が大のお気に入りのようで「年間ベストに入るくらいの作品です!」とニッコリ。安希子とササポンの何気ないやりとりを見ていると、自身の黒い部分、闇っぽいところが浄化されていき、「憑き物が取れたような自分がいました」と映画鑑賞後の印象を明かした。ちなみに本作をすでに3回鑑賞するほどハマっているようだ。

すでに3回鑑賞済みで本作が大のお気に入りだという映画ソムリエ、東紗友美
すでに3回鑑賞済みで本作が大のお気に入りだという映画ソムリエ、東紗友美

試写などで一足早く本作を鑑賞した方のコメントをSNSなどでチェックしているという穐山監督は「30歳手前になった時にぶち当たる壁。気にしたくないのに気にしてしまう壁。そういうのを実感しながら観てくださる方、それを卒業して俯瞰して観てくださる方、いろいろな方がいると感じています」とし、観るタイミング、置かれている環境によって受け取るものが違うであろう本作への感想をたくさん知りたいとも話していた。

映画には心に刺さるセリフしかないと熱弁した東。試写室でメモをとりながら本作を鑑賞した際には「ノートがササポン語録でいっぱいになりました。『君のことが知りたい』と言ってくれる。目の前にいる人を理解してくれそうな人だと実感しました」と自身が感じたササポンの魅力に触れた。

リピート鑑賞時の注目ポイントにも触れた
リピート鑑賞時の注目ポイントにも触れた

穐山監督は猪塚健演じる彼女がいるのに安希子にも優しくするクズ男の浩介への感想も気になるとコメント。「現場では男性スタッフから浩介っていい奴、という声があって。私と脚本家さんはクズ男のつもりで書いたのに…とちょっと驚きでした。その人の経験値で(クズ男への)感じ方も違う気がして、こちらもみなさんの反応が気になります」と微笑むと、東が「これまでの試写会での反応は真っ二つという印象です。割れていました」とし、「みなさんは浩介ってありですか?」と会場に問いかける場面も。続けて「女子会で観たら盛り上がれるトピックが満載です」とおすすめしていた。

女子会におすすめと笑顔
女子会におすすめと笑顔

撮影現場を振り返り、「井浦さんは普段はとてもかっこいい方ですが、現場ではオーラがなかったです。井浦さんいた?ってなるくらいでした(笑)」と井浦の役作りに触れた穐山監督。衣装なども井浦が提案することもあったそうで「いろいろと工夫していただきました。スリッパを引きずって歩いたり、背中を丸めたり、体つきのお芝居もたくさんしていただきました」と満足の表情を見せる。深川については「とてもピュアでまっすぐな方。やさぐれ役の口が悪い感じはなかなか難しかったようで、何度もリテイクしました。それくらい深川さんに染みついている品のようなものがあるなと感じました」との印象を持ったそう。劇中に登場する「残高10万円の歌」の誕生エピソードにも触れ、「脚本には『残高10万円の歌』としか書いてありませんでした。当日に現場で『メロディお願いします!』って(笑)。もちろんメロディは私も考えていましたが、合いの手まで入れてアレンジしてくれたんです。この人、天才かなと思いました」とテンション高めで撮影時の様子を伝えた。


フォトセッションの様子
フォトセッションの様子

「色や天気へのこだわりを感じた」という観客のコメントに「色には意味を持たせています」と答えた穐山監督。安希子洋服の色、浩介が安希子にくれる花瓶の色、シーンに登場する空や海の色などで安希子の気持ちがわかると解説し、「もう一度観る際には、色にも注目するとおもしろい気づきがあると思います」とリピート鑑賞をおすすめした。

取材・文/タナカシノブ

関連作品