森崎ウィンが『ザ・クリエイター/創造者』に感じたアジアへの愛と可能性!「未来予想図を見ているような感じ」
「物語のなかの出来事がリアルな世界で少しずつ実現している」
『アイ,ロボット』(04)や「トランスフォーマー」シリーズなどロボット映画も好きでよく観てきたという森崎は、そのなかでも特に本作と『ロボコップ』(87)の共通点を指摘する。「小さい時から大好きでめちゃ観ていた映画です。マーフィー(ロボコップ)がヘルメットを外した際に、スキンヘッドでメカがむきだしになっているところは、アルフィーたちに似ていますよね。だからこの映画に登場するAIたちを見た時も違和感がなかったのかもしれません。人間性をテーマにしているところも近いですよね」。
そんな森崎にとって、SF映画の魅力は「想像力を存分に発揮できること」だという。「映像技術の発達で、時間と労力とお金さえかければ描けないものはなくなったと思います。漫画に近いというか、表現に限界がないのが一番の魅力ですね。そういう意味で、人間の想像力がいかにすごいかを教えてくれるのがSF映画なのではないでしょうか」。表現のほかにも「未来に対する予習ができること」を挙げる。「『レディ・プレイヤー1』や『ソードアート・オンライン』のような仮想空間が題材になっている作品もですが、物語のなかの出来事がリアルな世界で少しずつ実現しているじゃないですか。この映画も実際に起きそうでワクワクしたし、なんだか未来予想図を見ているような感じがしました」と語ってくれた。
「AIと人間の物語はたくさんありますが、いままでのハリウッドとは違う視点を持った映画です」
人類とテクノロジーの対立はSFアクションの定番として親しまれている題材だが、本作は勝ち負けや融和で幕を閉じる作品とは一線を画したつくり。森崎はこれまでにないアプローチになにより魅せられたという。「AIと人間の物語はたくさんありますが、監督がイギリス人だからか、いままでのハリウッド映画とは違う視点を持った映画です。テーマもストーリーもすごくスケールが大きくて、アクションもすごいけど考えさせられる部分もたくさんある。日本やアジアへの愛も感じられる作品なので、たくさんの人に観てほしいですね!」。
取材・文/神武団四郎
ミャンマー生まれの俳優。2018年、スティーヴン・スピルバーグ監督の映画『レディ・プレイヤー1』で主要キャストに抜擢されハリウッドデビューを果たす。その後も映画やドラマ、ミュージカルなどで活躍。2020年に映画『蜜蜂と遠雷』で第43回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。また、主演した連続ドラマ『本気のしるし』では釜山国際映画祭2021のASIA CONTENTS AWARDSで「Best Newcomer-Actor賞」を獲得し、劇場版は第73回カンヌ国際映画祭「Official Selection2020」に選出された。2023年にはNHK大河ドラマ『どうする家康』で二代将軍の徳川秀忠を演じ、またMORISAKI WINとしてメジャーアーティストデビューするなど、エンタテインメント界で多彩な才能を発揮している。
