坂本真綾、<物語>シリーズの魅力は「神谷浩史」と座長に惚れ惚れ!神谷は「やめてほしい」と大照れ
西尾維新がおくる「化物語」の前日譚にして<物語>シリーズの原点「傷物語」の最新作『傷物語 -こよみヴァンプ-』の公開記念舞台挨拶が1月13日に新宿バルト9で開催され、神谷浩史、坂本真綾が登壇した。
「傷物語」の過去三部作(『傷物語〈I鉄血篇〉』『傷物語〈II 熱血篇〉』『傷物語〈III 冷血篇〉』)を新たに総集編として再構成した本作。原作者である西尾維新の巧みな言葉遊びからなるセリフ回しや物語展開、アニメシリーズでは細部まで作りこんだ演出が話題を呼び、圧倒的な人気を誇る大人気シリーズの劇場版最新作となる。
この日は、神谷と坂本にとって新年初の舞台挨拶への登壇とのこと。また本作のロゴがゴールドであることから、金屏風の前に2人が並んで舞台挨拶が行われた。大きな拍手に迎えられ、血も凍るような美女であり、鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード役の坂本が「まさか神谷さんと2人で金屏風の前で…」と目尻をさげると、主人公である阿良々木暦役の神谷も「ちょっと恥ずかしいですね」と照れ笑い。冒頭から会場を大いに盛り上げた。
「傷物語」が総集編として1本の映画となって公開され、神谷は「うれしい」と切りだし、「3本を観られるというのも非常に贅沢なんですが、それを1本化してより観やすい形、手に取りやすい形、なおかつもう1回、作品を楽しむためだけの空間にかけてもらえる。映画館って、非常に贅沢な空間。その作品を楽しむだけの空間ですから」と喜びを吐露。『傷物語〈I鉄血篇〉』の公開から8年が経っていることから、坂本は「8年って、私や神谷さんにとってはついこの間のことかもしれませんが、中高生の方がもし以前に観ていたら、大人になってまた観ることで価値観や生活環境も変わって、味わいも違うのかなと思う。新しい気持ちでご覧いただけるいい機会かなと思います」と話していた。
「傷物語」が上映された2016年当時、アフレコで記憶に残っている他声優陣の演技は?と聞かれると、坂本は「羽川、かわいくない?」と堀江由衣演じるキャラクターである羽川翼について触れ、「『傷物語』だから『よし、キスショットの見せ場がいっぱいあるぞ』と思っていたら、羽川の話じゃない?って。嫉妬した」と茶目っ気たっぷりに語り、会場も大笑い。続けて「由衣ちゃんの、完成された羽川としてそこに存在している感じ。近くで見ていて圧倒されました」と惚れ惚れとしていた。神谷は「キスショット、並びに(忍野)メメがめちゃくちゃかっこいい。あとは(大塚)芳忠さん。一人一人と戦わなければいけないので、それぞれに対して真剣に向き合って戦ったんですけど、芳忠さんは終わった後に握手して帰っていました。やり切ったって言う感じで『お疲れ』と言って」と当時のアフレコ風景を回想。坂本が「かっこいいですね」と言うと、神谷も「そう!」と楽しそうにうなずいていた。
ファンが広がり続けているシリーズだが、改めて<物語>シリーズの魅力について語り合う場面も。神谷は「青春怪異小説の原点であり、古典になる作品」とキッパリ。坂本は「やっぱり<物語>シリーズと神谷さんの存在は、一心同体。だから神谷浩史じゃないですかね」と分析し、会場からも同意を表す大きな拍手が上がった。「あはは!」と思わず笑った神谷が「やめてほしい」と大照れとなるなか、坂本は「尊敬の念を込めて。座長がこの人だから、ここまで来た」と<物語>シリーズの魅力は神谷浩史だと、改めて語っていた。
今年の抱負について「健康」と口を揃えた2人。最後には坂本が「これだけ多くの方に長年愛される作品に携わることができて、本当に幸運だなと思います。これからもキスショット、忍を演じる機会があれば、一つ一つ大事にやっていきたいと思います」と心を込め、神谷が「観終わった後に、心が動かされると思う。日常の生活を送っているだけでは動かされないような、動き方をすると思う。それは人間にとって栄養になると思います。たくさん栄養を養って、明日からもくれぐれも皆さん健康で。何回も足を運んでいただけるとうれしいです」と呼びかけていた。
取材・文/成田おり枝