『ゴールデンカムイ』山崎賢人×山田杏奈×矢本悠馬にインタビュー!仲良し3人組が語る、極寒の撮影エピソードとは?
「矢本さんが裸なので、ここでミスしたらやばい!と必死でした」(山田)
――桜鍋のシーンはもちろん、今回たくさんのおいしそうなアイヌ料理が登場するのも見どころのひとつかと思います。
山崎「本当に全部おいしかったです。もちろん劇中の食材(リスやカワウソなど)をそのままいただいているわけではないのですが、限りなく味や見た目が近いものを毎回用意してくださって。鹿とか猪とか…」
山田「おいしかったです!お肉以外でもニリンソウなど、私は初めて食べるものばかりだったんですが、どれも滋味深いしみじみとしたおいしさがあるんです。休憩の時にいただくケータリングも、アイヌ料理を用意してくださったんですよね」
矢本「うまかったねぇ。寒い日の汁物とかは本当にありがたかった」
――ペットボトルの水も氷るほどの極寒の撮影でしたが、あの環境下でのお芝居やアクションは相当カロリーが高かったのではないでしょうか。
山崎「大変でしたね。矢本くんは雪の中で上裸になるシーンが多かったので、矢本くんと一緒のシーンではとにかくNGを出さないようにしよう!とは思っていました」
山田「私もです。ここでミスしたらやばい!って」
矢本「そんなこと思っててくれたの?2人とも優しいなぁ」
山崎「矢本くん、最初は(裸に見える)インナーみたいなのを着ていた時もあったけど、結局全部脱いでたもんね」
矢本「せっかくこれだけの大自然の中で撮っているんだから、裸になっちゃったほうが画的にも絶対いいなと思って。スタッフさんはいろいろと配慮してくれてありがたかったですけど、最終的にはリアルに脱いでいるカットのほうがほぼ使われていましたね」
山崎「アクションに関しては、僕は素手で戦うアクションが初めてだったので難しかったです。杉元は元軍人なので、軍人らしい動きを習得するのが大変で。杉元はちゃんと日本の武術を習得した男なので、ある種冷静に戦うシーンと、周りが見えなくなる“ゾーン”に入っている時で戦い方を変えていこうと、監督とも話しました。あとは銃剣の練習かな」
矢本「(模造刀の)銃剣を買ったんでしょ?」
山崎「買った。家で装填の練習はかなりしましたね。銃剣って銃の先端に装着するとかなりの長さになるので、振り回されちゃうんです。“長(なが)もの”って言うんですけど、感覚としては槍で戦っているくらいの大変さがありました」
山田「私はアクション自体がほぼ初めてだったので、アクション部の方に助けてもらいながらなんとか。それこそ最初は前転の練習から始まって、走る練習や受け身の練習もかなりしました」
山崎「受け身はアクション練習の基本だからね」
山田「そうなんですね!弓を射るシーンも難しかったので、家のカーテンに(模造品の)矢を放って練習していました。撮影時はカメラマンさんがレンズの前にアクリル板を置いて『できたらここに当ててほしい。もしうまく当たったら北海道のまりもをあげるよ』とおっしゃって。かなり距離があったんですが、がんばって当てたら本当にまりもをくれました(笑)」
矢本「そんなことが(笑)。そう言えばアシリパの登場シーンは、めちゃくちゃかっこよかったよね」
山崎「本当にかっこよかった!弓を射って杉元を助けるシーンですね」
山田「あそこはアクション監督の方が弓矢の先に雪を乗せて、弾いた時にパ~ッと雪が舞うようにしてくれたんです。撮り方もすてきだったので、自分で見た時も“かっこいい!”と思いました」
矢本「僕はヌルヌルのシーンが多くて…体がおかしくなりそうでした」
山崎「救出シーンね(笑)」
矢本「体中にオイルを塗って窓の鉄格子をすり抜けるんですけど、“途中から撮るので逆立ちして待っていてください”と言われて。でも体中がヌルヌルだからどうしても滑ってしまうので、それを無理矢理握力でグッと押さえ込んでいたら体中が痛くなってしまいました。しかも床の板がギザギザだったので、乳首がとれたんじゃないかと」
山崎「(笑)」
矢本「今回は寒いを超えて痛いと感じるシーンが多くて。賢人と2人で真冬の川に落ちるシーンも実際自分たちでやっているので、乳首がなくなったか心配になりました」
山田「あそこはどれくらい時間をかけて撮っていたんですか?」
山崎「まる1日かな。一応中にドライスーツは着させてもらっていたんですが、顔や手は出ているので本気で寒かった。あの震えはリアルな震えです!」
矢本「あそこは俺らのドキュメンタリー。あのシーンの自分の芝居はどこか変ですもん(笑)。寒すぎて逆に血が湧いてるっていうか、正直あまり記憶がないです」
――本当に見どころの尽きない本作ですが、最後に公開を楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いします。
山崎「アクション、コメディ、グルメ、人間ドラマ…とにかくいろんな要素が盛り込まれていて、見たことのない日本映画になっています。是非大きなスクリーンでご覧ください」
山田「私の周りでも『楽しみにしてるよ』って言ってくれる方が多いんですが、皆さんに一切の謙遜なく『めっちゃおもしろいです!』と言える作品に仕上がりました。新年の始まりにふさわしい1本になったと思いますので、是非よろしくお願いします」
矢本「僕自身プライベートではそれほど喜怒哀楽がない人間なんですが(!?)、この作品を見終わったあとはめちゃくちゃ興奮しました。つまり“最高におもしろい”ということです!」
取材・文/遠藤薫
※山崎賢人の「崎」は「たつさき」、アシリパの「リ」は小文字が正式表記