春は映画やドラマのロケ地にお出かけ!手書き看板と堪能するロケ地の魅力&フィルムコミッション紹介イベントに行ってみた
「日野映像支援隊」ブースでは、映画『PLAN 75』(22)やドラマ「妻、小学生になる。」、「Dr.チョコレート」、Netflixシリーズ「御手洗家、炎上する」など、日野市で撮影が行われた数々のドラマや映画のロケ地を撮影秘話と共に紹介。高齢化問題に切り込んだ早川千絵による長編初監督作『PLAN 75』におけるカラオケのシーンは、日野本町にある中央福祉センターで撮影が敢行されたとのこと。展示には、カラオケのシーンが楽しかったという主演の倍賞千恵子によるクランクアップコメントもアリ。堤真一主演の家族の再生物語「妻、小学生になる。」のパネルには、ドラマ終盤の初詣シーンで除夜の鐘を実際に住職に突いてもらったことなど、地元の協力があったことが記されている。もう一度作品を見返してみたくなるような解説にも、注目してみよう。
さらに、関東圏のロケ実績も案内されている。千葉県で行われる映画やドラマなどの撮影は年間1800件以上にものぼるというが、「千葉県フィルムコミッション」ブースではそのなかから船橋市にクローズアップ。掲示された船橋ぶらりマップを参考にすれば、橋本環奈が警察官を演じたドラマ「トクメイ!警視庁特別会計係」に登場した喫茶店や、間宮祥太朗主演の青春ドラマ「ナンバMG5」に複数話で登場した船橋港親水公園をめぐることができる。「風間公親−教場0−」やNHK連続テレビ小説「半分、青い。」などシーンの細かい説明や裏話も、実に興味深い。また千葉県船橋市立船橋高等学校の応援曲として代々受け継がれている「市船 soul」を作曲した青年の実話を映画化した『20歳のソウル』(22)は、船橋市内を中心に実在した人物のドラマを活写。主演の神尾楓珠は、印象に残ったロケ地として海老川ジョギングロードを挙げているのだとか。同所は市内有数のお花見スポットでもあり、感動的な映画の世界に浸りつつ、春のお出かけアイデアに加えたくなる。
イベント会場のあちらこちらに設置された手書き映画看板も、足を運んだ者をググッと映画の世界へと誘ってくれる。一筆一筆、丁寧かつ迫力たっぷりに描かれた看板に圧倒され、じっくりと見渡せば名作の余韻にきっと浸れるはず。ロケ地の詳細や撮影の裏側、手書き看板など、ぜひこの機会にあらゆる角度からお気に入りの作品を掘り下げてみてたい。
取材・文/成田おり枝