『オッペンハイマー』が圧勝?『ゴジラ-1.0』の歴史的快挙は?授賞式直前、第96回アカデミー賞の見どころを徹底ガイド

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『オッペンハイマー』が圧勝?『ゴジラ-1.0』の歴史的快挙は?授賞式直前、第96回アカデミー賞の見どころを徹底ガイド

日本映画3作品はどれも受賞の可能性十分!

続いてのトピックは、やはり日本勢の活躍だろう。今年は3つの部門に日本の作品がノミネートを果たしており、いずれも受賞にたどり着く可能性が高いと期待を寄せられている。

【写真を見る】日本アカデミー賞を席巻した『ゴジラ-1.0』が、今度はハリウッドをも呑み込む!?日本映画史上初の視覚効果賞受賞へまっしぐら
【写真を見る】日本アカデミー賞を席巻した『ゴジラ-1.0』が、今度はハリウッドをも呑み込む!?日本映画史上初の視覚効果賞受賞へまっしぐら[c]2023 TOHO CO., LTD.

そのなかでも特に受賞に近いと思われているのが、視覚効果賞の『ゴジラ-1.0』(公開中)。名だたるハリウッドの超大作映画が毎年顔をそろえることでお馴染みのこの部門に、日本映画がノミネートされたのは本作が初めて。5本のノミニーに選ばれただけでも歴史的快挙ではあるが、驚くべきことに前哨戦では他の候補作を凌駕する受賞ラッシュを展開。

ライバルとなる可能性が最も高いのは、奇しくも“ハリウッド版ゴジラ”を手掛けたギャレス・エドワーズ監督の『ザ・クリエイター/創造者』(23)で、しかも同作には日本から渡辺謙が出演している。日本の映画ファンにとっては注目が尽きない対決になりそうだ。

長編アニメーション賞では宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』が受賞圏内
長編アニメーション賞では宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』が受賞圏内[c]2023 Studio Ghibli

また、長編アニメーション賞には宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』(公開中)がノミネートされている。前哨戦のゴールデン・グローブ賞ではスタジオジブリ作品初の受賞を達成。強敵となるのはアニー勝で圧巻の受賞劇を見せた『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』(23)。一騎打ちを制し、『千と千尋の神隠し』(01)以来の快挙を達成できるのか楽しみだ。

そして国際長編映画賞にはヴィム・ヴェンダース監督と役所広司がタッグを組んだ『PERFECT DAYS』(公開中)がノミネートされている。日本代表でこの部門に出品された作品はこれまで『おくりびと』(08)と『ドライブ・マイ・カー』(21)が受賞している。こちらの強敵は、作品賞など主要部門でもノミネートされているイギリスの『関心領域』(5月24日公開)やNetflixの『雪山の絆』などのヨーロッパ勢だ。

国際長編映画賞でも日本代表の『PERFECT DAYS』に注目
国際長編映画賞でも日本代表の『PERFECT DAYS』に注目[c] 2023 MASTER MIND Ltd.

あの名作のキャスト&監督が、オスカー会場で顔を合わせるかも!

演技部門4賞は、前哨戦などの結果からいずれも一騎打ちの様相が強まりつつある。主演男優賞では『オッペンハイマー』のキリアン・マーフィーと『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』(6月21日公開)という、名脇役として名を馳せてきたいぶし銀俳優の決戦。一方、強力コンテンダーと思われていた『バービー』のマーゴット・ロビーが落選となった主演女優賞は、『哀れなるものたち』(公開中)のエマ・ストーンと『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(公開中)のリリー・グラッドストーンの“ストーン対決”となりそう。

エマ・ストーンの2度目のオスカーがかかる『哀れなるものたち』
エマ・ストーンの2度目のオスカーがかかる『哀れなるものたち』[c]2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

さらに助演男優賞では『オッペンハイマー』のロバート・ダウニーJr.が前哨戦の段階から独走ムード。追いかけるのは『哀れなるものたち』のマーク・ラファロ。つまり“アイアンマンvsハルク”の戦いというわけだ。そこに『バービー』のライアン・ゴズリングも虎視眈々。そして助演女優賞では『ホールドオーバーズ』のダヴァイン・ジョイ・ランドルフが前哨戦を圧勝しており、逆転の可能性があるのは作品に勢いがある『オッペンハイマー』のエミリー・ブラントだけだろう。

“アイアンマン”ロバート・ダウニーJr.の助演男優賞も有力
“アイアンマン”ロバート・ダウニーJr.の助演男優賞も有力[c] Universal Pictures. All Rights Reserved.

ちなみにダウニーJr.とラファロの「アベンジャーズ」のほか、ストーンとゴズリングといえば『ラ・ラ・ランド』(16)のコンビ。こうした過去の名作で共演した俳優たちがアカデミー賞の会場で顔を合わせるのも醍醐味のひとつ。今年は助演男優賞に『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』のロバート・デ・ニーロがいて、助演女優賞には29年ぶりにオスカーの舞台に帰ってきたジョディ・フォスター。そして監督賞には歴代2位の10度目のノミネートとなったマーティン・スコセッシがいる。名作『タクシードライバー』(76)のチームが揃うことになる。


ウェス・アンダーソン監督にも待望の初オスカーのチャンス!
ウェス・アンダーソン監督にも待望の初オスカーのチャンス![c]Everett Collection/AFLO

主要部門以外で特に注目すべきは、短編実写映画賞。『ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語』(Netflixにて配信中)で、ウェス・アンダーソン監督がノミネートされているのだ。『グランド・ブダペスト・ホテル』(14)での作品賞や監督賞に加え、同作を含む3度の脚本賞候補、2度の長編アニメ賞候補歴のあるアンダーソン監督が、自身8度目のチャンスでついにオスカーを獲得できるのか。今年のアカデミー賞は隅々まで目が離せない!

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