初心者×映画ファン×原作ファンが魅力を徹底分析!映画『陰陽師0』は“シャーロック・ホームズ”のような胸アツバディムービーだった!
「板垣さんの帝は、まさに“平安のプレイボーイ”って感じでした」(三浦)
――衣装やセットにもかなりこだわりを込めたとい本作。鑑賞して気になったポイントは?
三浦「学生の着ている衣装は透け感があって軽やかな印象を受けました。透け感のある烏帽子は初めて見ましたね」
魚田「皆さんが履いている靴もかわいくて印象に残りました。走る時にこんな靴履いているんだなって」
三浦・高橋「そんなところまで観てなかったです!」
魚田「あと奈緒さんが出てくるシーンはすごく綺麗で、着物もかわいくて、花びらがいっぱいある部屋はきれいでうっとりしました」
高橋「徽子女王のシーンは、この映画を色彩的にも華やかにしていますよね。夢枕先生の『陰陽師』だとあまり登場しなさそうな世界にも感じました」
三浦「10歳くらいであの場所に連れてこられた徽子女王には幼さが残るキャラクターだと思います。なのに、あえてセクシーさも見え隠れするような奈緒さんの、ファムファタール的魅力の本領発揮っていう感じでしたね。博雅とのやりとりで叫ぶシーンには狂気を感じてたまりませんでした」
高橋「色気といえば、板垣李光人さんの帝もすごかったです」
三浦「かわいいのにプレイボーイ感がある。まさに“平安のプレイボーイ”って感じでしたね。徽子女王への手紙も花が添えられてすごくおしゃれだし、女性への気遣いがすばらしかった」
魚田「帝の周りにいる人もすごいおしゃれでした。しかも全員美女」
高橋「そんなはべらせている感じを見せつつ、実は意外と誠実っていうね(笑)」
「大御所役者が大勢いると、逆に謎が解けない」(高橋)
――安藤政信さん、國村隼さん、小林薫さんをはじめ豪華俳優陣が出演し、ミステリー要素があるのも本作の魅力でした。
高橋「平安京を巻き込む陰謀の犯人は誰なのか?というミステリーとしても楽しめる作品でしたね」
魚田「出演者の顔ぶれとしても、容疑者が多かったので、私は最後まで全然わからなくて、ワクワクがずっと続いていました」
高橋「大御所役者が大勢いると、逆に謎が解けないですよね(笑)」
三浦「しっかりと全員犯人にできるようになっていましたね。『帝には専属の陰陽師がいない』ことも、重要なポイントになっていました。ミステリーとして、意味のないシーンがまったくなかったです。だから犯人を予想しては消えるを繰り返す、ミスリードが楽しめる作品でもありました」
魚田「犯人がわかったうえでもう一度観ると、心の動きや全体像もわかるし見え方が変わるかもしれないです。伏線を確認していくと、いろんなところに意味があるんだなと思いました」
――犯人を予想していくなかで、現実なのか夢なのかが終盤までわからない演出も特徴的でした。
三浦「この映画は、特に中盤以降は現実で起きていることが少ないですが、そのなかでルールがあって、ミステリーとしてしっかり成立している。夢枕先生が描く、『実在の人物を使ってフィクションを作る』ことにはみ出していないのがとてもよかったです」
魚田「次元の裂け目のような表現はおもしろかったです。草原や竹林など舞台が変わっていくのが楽しかったですし、花の世界の映像はとても美しかったですね」
高橋「背景が感情と一致している部分があると個人的に感じました。複雑そうに見えますが、背景がガイドになっているのがおもしろかったです」
三浦「時代劇は基本的にセットの中が多いので、背景の印象が変わりにくいと思うのですが、本作は眺めているだけでも飽きなかったです」