『青春18×2 君へと続く道』が世代に関係なくグッとくる理由とは?ピュアな恋愛、青春の思い出、旅での出会い…エモいポイントを語り合う
「20代男性から見てもすごくかわいいと思いました!」(山下)
佐藤「グァンハンさんは、アジア圏では“国民の彼氏“って言われているんだよね?」
黄「2019年のドラマ『時をかける愛』でも高校生から30代までの役を1人で演じています。10代では不器用さと少年ならではのやんちゃさをうまくだしていて、大人パートでは優しさにあふれる完璧な彼氏感が出ていて。ドラマのストーリーがおもしろいうえに、放送された時期はコロナ禍で不安な日々が続いた時期ということもあり、その完璧な彼氏感、優しさがみんなの心を癒したんです。グァンハンさん自身もすごく自然体な人で、前に出ない謙虚な感じも、人気の理由だと思います」
任「あんなに違和感なく18歳と36歳を演じ分けられるなんて本当にすごい!私は18歳のジミーがかわいくて大好きです」
黄「たまらないですよね!」
山下「僕は清原さんが演じるアミの一歩先回りする年上の女性感がすごく印象に残っています。セリフとかにも常に絶妙に一枚上手な感じがあって、“ずるいな”って感じるシーンがたくさんありました」
黄「お姉さん感があったんですよね。アミの言葉に対するジミーの反応がすごくかわいくて」
任「わかります!」
黄「寝坊してお母さんに八つ当たりしているところとか。ジミーがプンプンしちゃってなんてかわいいんだって」
任「すごくかわいいのに、アミの前ではスマートにお茶を出したりして。頑張っている姿が余計にいじらしいというか、かわいさが増すというか」
山「20代男性から見てもすごくかわいいと思いました!」
佐藤「ジョセフ・チャンがサラッと出ていたのもびっくり」
黄「ジミーのお父さん役のチュ・チョンホンさんも、台湾ではすごく有名なベテラン俳優です。日本も台湾もすごくキャストが豪華だと思いました。豪華な俳優陣もそうですが、藤井監督初の国際プロジェクトはすごくバランスのいい合作になったと感じています。合作映画はどちらかに偏る傾向が多いけれど、日本と台湾、両方の味はちょっとずつ違うけれど、この作品で一緒になった時にいい相乗効果を生みだしているなって。日本と台湾両方のよさが感じられる珍しい作品だと思います」
佐藤「確かに。ストーリー上もそうだけど、台湾では賑やかではつらつとしたシーンを描き、日本では雪とか旅情というのかな、せつない部分を描いていて。それぞれの国民性などもいい感じでマッチしていたような気がします」
任「確かに。台湾でははつらつとした感じ、日本ではしっとりとせつなさが全開。すごくいい対比になっていてお互いのよさが際立っていますよね」
「人生も旅も続いていくなかでの出会いが楽しみになりました」(黄)
佐藤「おすすめポイントはいっぱいあるけれど、個人的には、人の優しさにあとから気づくところに泣ける作品。アジア映画なのでハリウッド映画とは違う心の機微が共感しやすいと思います」
任「恋愛に悩んでいたらジミーとアミのやりとりに共感すると思うし、仕事や人生で道を見失ってモヤモヤしている人にはなにか新しい一歩を踏み出すきっかけ、勇気をもらえるような作品だと思います。自分がいま悩んでることによって、映画に着目する点が変わる、そんな映画です」
山下「映像的な魅力もたくさん詰まっている作品です。ラブストーリーという側面だけでなく、青春映画、旅ものとしても観れるし、美しい映像から滲みでてくる感情がすごく鮮やかで引き込まれます。ジミーの旅の目的を想像しながら、楽しんでほしいです」
黄「私は36歳のジミーに近い年齢なので、18歳のころの自分を思いだしながら36歳に向かう勇気をもらった気がします。映画のなかでアミが“ずっと旅が続きますように”と言っていたように、これから先も人生も旅も続いていくなかでの出会いが楽しみになりました。そんなインスパイアを与えてくれるすてきな作品です。そしてやっぱりイチオシはグァンハンさんの演じ分け。18歳のジミーにキュンキュンして、36歳のジミーには寄り添ってあげたいという気持ちになれます!」
任「わかります!本当にすてき」
佐藤「絶賛だね」
山下「グァンハンさんが人気の理由がリアルにわかった気がします(笑)」
構成・文/タナカシノブ