『陰陽師0』は「何回観てもおもしろい」佐藤嗣麻子監督らが安倍晴明の魅力を語る

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『陰陽師0』は「何回観てもおもしろい」佐藤嗣麻子監督らが安倍晴明の魅力を語る

俳優の山崎賢人が主演を務める映画『陰陽師0』の特別ティーチイン付き上映イベントが5月12日、新宿ピカデリーにて開催。佐藤嗣麻子監督、呪術監修を務めた加門七海氏、漫画「陰陽師」の作者・岡野玲子氏が登壇した。

【写真を見る】加門七海氏、佐藤嗣麻子監督、岡野玲子氏が安倍晴明を語る!
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本作は、平安時代に実在した“最強の呪術師”安倍晴明が陰陽師になる前の知られざる学生時代を描いたオリジナルストーリー。若き日の安倍晴明役を山崎が演じた。

加門氏は本作について「何回観ても、自分がどこを観るかという焦点の置き方によって印象が変わる」とコメント。「改めて、この映画に関われてすごくうれしい、幸せだなと思いました」と喜びをかみ締めた。

また、岡野氏は、本作の入場者特典として描き下ろしたイラストについて聞かれると、「嗣麻子監督からイラストを描いてとお願いされた時に、まず浮かんだのが晴明がこうしている(手を広げている)姿。手の中にあるものが最初は光のような塊だったので、何を持っているのか私は分からなかったんですが、とにかくこれしかないと思って描き始めた」と述懐。

さらに「そして下書きを描き始めた時に、そこに宇宙卵を持っている姿が見えてきたんです。よく見るとそれは『陰陽師0』の“0”という文字のようでもあって、それをとても愛でている。イラストを持ってくださった皆さん自身が、その宇宙卵と同じであるというふうに私は考えて、そのように描かせていただきました」とイラストに込めた思いを伝えた。

入場者特典イラストに込めた思いを明かす岡野玲子氏
入場者特典イラストに込めた思いを明かす岡野玲子氏

晴明の話題になると、加門氏が「史実ということを考えると、大河(ドラマ)でもやっていますけど、政治的な駆け引きの上手い人物というふうに表現されていると思います」とした上で、「私はそれも間違いではないと思うんですけど、もっと深い意味で言うならば、彼は陰陽師という仕事、立場、能力上、人の欲望をずっと見続けてきた人間だろうなと思う」と持論を展開。

佐藤監督も「そうだと思います」と共感。そして「加門さんが前に、(晴明は)唯一、神様になった陰陽師であるということをおっしゃっていた」と明かし、「(菅原)道真もそうなんですけど、みんなたたりを恐れて神様にするんです、この頃の時代って。晴明も神になったのであれば、実は晴明からのたたりを恐れてみんなが神にしたのではないか」と考えを口にする。

その一方で岡野氏は「私は、あれ(晴明神社)は珍しく感謝されて作られた神社ではないかなという気がしています。それは晴明公の魂の人柄というふうに私は考えています」と語っていた。

佐藤監督は安倍晴明に関する持論を展開
佐藤監督は安倍晴明に関する持論を展開

イベントの終わりには、岡野氏が「加門さんとは、『陰陽師』の初期の頃は一緒に取材の旅をさせていただいた関係があった」と打ち明けると、佐藤監督が「本当は暴露話をしたかったそうで」とぶっちゃける。加門氏が「暴露されるというお話でドキドキしていた」とつぶやくと、佐藤監督は「短いのだったらパッと言えない?」と岡野氏に質問。岡野氏は「言えない。長くなっちゃうから」と笑い、「中には漫画の『陰陽師』をご存じない方もいらっしゃるかもしれない。もしよろしかったら、漫画も読んでいただきたいと思っている」と呼びかけた。

そして加門氏は「営業ではないですけど、何回観ても面白いんですよ。本当にこれ(映画)。私も3回観て、まだ『もう1回観たい』という気持ちが、終わるとなぜか湧いてくる不思議な映画だなと思っています。皆さんもそういうふうに思ったら、欲望のままに何度でも観ていただけたらうれしい」と映画をアピール。

岡野玲子氏の“暴露”におびえていた加門七海氏
岡野玲子氏の“暴露”におびえていた加門七海氏

佐藤監督は「たぶんこれで『陰陽師0』の公式行事的なものが最後になると思います」と言い、「呪術とか、催眠術であれ思い込みであれ、そういうものがどうやってかかっていくか、どうやればそれが解けるかというものを描いた映画なので、現代社会でも全然使える。人から言われたことをそのまま鵜呑みにしない、とか」と伝える。「『平安時代はこうでなければいけない』と思って観ると、これは『え?』ってなっちゃうんですけど、そういうのを全部取っ払って見ると『あ』と思えるかなと思う」とまとめていた。

取材・文/山田健史

※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記

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