これが限界突破したアクションだ…!全編クライマックスの『キングダム 大将軍の帰還』は“IMAX推し”
ついに戦場に舞い降りた!王騎の偉大なる存在感に震える
いよいよ訪れた、王騎と龐煖の一騎打ち。全編がクライマックスと言える本作のなかでも、天地を揺るがすような、目がクギ付けになる大迫力の場面として完成した。王騎役の大沢は、1作目で14kgの増量をしたが、本作ではなんと20kg増やすなど、天下の大将軍である王騎をすさまじい説得力と共に演じている。対する龐煖役の吉川は、1か月も山にこもってアクション練習をして臨むなど、龐煖の哲学や強さの理由をとことん突き詰めた。双方、並々ならぬ熱意をみなぎらせ、総大将の激突をスクリーンに刻み込んでいる。
ついに降り立った王騎の豪快な戦いぶりは、原作でも見開きを使って表されてきたが、本作でも大胆なアップや迫力のカメラワークで王騎を捉えていく。王騎が矛を地面にドン!と打つ瞬間や、力強い言葉で兵士を鼓舞していく場面は、パワフルなサウンドも相まって、観客も血が湧き立ち、武者震いするひとコマ。ぐるりと居並ぶ無数の兵士を背に対峙して、大ジャンプを決めたり、矛がしなるほど衝突したりと、鉄と鉄がぶつかり合うような重量級の戦いは、壁いっぱいに大きく広がるIMAXの大スクリーンで観なければもったいない!嬴政の凛とした佇まいを表現してきた吉沢亮は「カッコよすぎて泣いた」、要潤は「レベチ」とキャスト陣も手放しで絶賛したほか、山崎が「信の目線になって観てもらえたらおもしろいと思う」と熱っぽく語ったように、極上の没入感を約束するIMAXならば、王騎と龐煖による壮絶な戦いを“信目線”の至近距離で目撃している気持ちになれるとオススメしたい。
瞬きをするのももったいないくらい、日本映画史にその名を残すシリーズになったと実感するような本作について、プロデューサーの松橋真三は「前作以上に音にこだわっている」とサウンドについても自信をのぞかせている。90名以上のフルオーケストラによって観客を包み込むような音楽が、信や王騎たちのドラマをよりエモーショナルに盛り上げており、耳からも感動が押し寄せる。エンドロールで流れるONE OK ROCKの書き下ろし楽曲「Delusion:All」も、彼らの戦いと関わり合いを投影したような、力強さと優しさを兼ね備えた1曲だ。澄んだ深みのあるIMAXの音響でダイナミックな本作にふさわしい楽曲を聞きとげ、シリーズ最終章の余韻にたっぷりと酔いしれてほしい。
※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記
文/成田おり枝